FX投資するときには、国内・海外のFX業者で専用口座を開設することになります。
そして、FX業者では少ない資金で大きな取引ができる「レバレッジ」という仕組みが提供されています。
レバレッジとはてこの原理のことで、小さな資金でも大きな取引ができる仕組みのこと。
倍率は1~2000倍(無制限もあり)と業者によってさまざまですが、海外FXのほうが高倍率です。
そして、FXでは以下のものを見かけます。
- 実効レバレッジ
- 取引単位のレバレッジ
- 最大レバレッジ
- レバレッジ制限(規制)
ここでは、実効レバレッジを中心に各レバレッジについて解説します。
また、実効レバレッジとはどんなものか、その計算方法や目安についてもまとめました。
FXのレバレッジとは?

レバレッジとは”てこ”の意味で、てこの原理を利用して小さい力で重いものを動かせるようにする仕組みです。
FXにおいては、業者が提供しているサービスで、少額でも稼ぎやすくするための仕組みです。
日本のFX業者は最大25倍まで。
海外業者は最大1000倍前後と業者によって異なり、業者が用意している口座の種類ごと、売買する銘柄ごとに上限倍率が決まっていることが多いです。
業者によっては、1~最大レバレッジの範囲内でユーザー側が選択できるところもあります。
この仕組みにより、少ない自己資金でも大きい金額を売買できることから利益を上げやすくなります。
たとえば、自己資金が10万円ある場合、通常は10万円分の取引用しかできません。
ですが、レバレッジが仮に10倍だったとき、10分の1の資金で同じ金額を取引できます。
1万円で10万円分の注文ができるわけですね。
あたかも10倍の資産を運用しているようになるため、あまり資金を用意できない方でもFX投資しやすくなります。
もちろんリスクもあり、負ければ損失が大きくなりやすいです。
そんなレバレッジを表す用語はいくつかあり、その中でここでは「実効レバレッジ」というものに注目。
何に対しての実効なのか?を解説していきます。
FXの実効レバレッジとは?

実効レバレッジとは、安全性の目安として利用される数値(倍率)です。
自分が資金を預けているFX業者の口座残高(証拠金)と、レバレッジを活用して運用しているお金(取引額)との比率で計算されます。
前述したトレードするときに設定しているレバレッジ倍率とは全く別物です。
多くの国内FX業者は実効レバレッジを表示しています。
対して海外FXで表示している業者は見かけません。
また、実効レバレッジは安全性の目安として利用され、10倍を超えるようであれば危険度が高いと言えます。
実効レバレッジの計算方法
実効レバレッジ倍率 = 保有ポジション総額 ÷ 口座に預けているお金(証拠金)
※保有ポジション総額 = 現在のレート × 通貨単位 × 注文ロット数
1つの口座に対して、注文しているポジションのトータル金額を、FX口座に入っているトレード資金で割ることで計算できます。
実効レバレッジ倍率が高いほど、資金に見合わないハイリスクなトレードになっていると言えます。
低い倍率であるほど安全と言えるでしょう。
レバレッジは倍率が高くなるほどリスクも大きくなりますが、実効レバレッジは真逆で低いほど安全になります。
トレード回数1回のみの時の実効レバレッジ計算
仮に1回だけトレードした場合で実効レバレッジを求めていきます。
以下の条件で計算します。
- 自己資金10万円
- 50万円分の注文
このトレード時の実効レバレッジ計算結果は次のとおりです。
50万÷10万=5倍
実効レバレッジは5倍となります。
まだ安全と言える範囲ですが、トレーダーによっては5倍以上は危険と考える方もいます。
複数回トレードしたときの実効レバレッジ計算
複数回の取引をした場合は、その平均値が実効レバレッジとなります。
次の条件で3回トレードしたケースをもとに計算してみます。
- 1回目・・・自己資金10万円で50万円注文
- 2回目・・・自己資金20万円で200万円を注文
- 3回目・・・自己資金30万円で90万円を注文
※通常であれば頻繁に自己資金を変更しないと思いますが、一例ですのでご了承ください
このとき、合計では60万円の自己資金で340万円を運用しているため、実効レバレッジの計算結果は次のようになります。
340万÷60万≒5.67倍
5倍を基準に考えた場合、少しリスクが高い結果と言えます。
もう1つ計算例を紹介しておきます。
海外FXにて複数回トレードしたときの実効レバレッジ計算
通貨単位は10万通貨の口座でUSDJPY(米ドル/日本円)をトレードしたときのケースで計算します。
(1ドル=100円で計算)
- 1回目・・・自己資金100万円で2000万円注文(2ロット)
- 2回目・・・自己資金100万円で1000万円注文(1ロット)
- 3回目・・・自己資金100万円で1500万円注文(1.5ロット)
このときの実効レバレッジの計算結果は次のとおりです。
4500万÷300万=15倍
安全の目安の1つでもある10倍をかなりオーバーしています。
海外FXは1000倍などかなりハイレバレッジな環境でトレードできるため、大きな注文金額になりやすいです。
自己資金100万であれば、1ロット以下の取引量に抑えておくことをおすすめします。
安全にトレード可能な実効レバレッジの目安は?

3~10倍の実効レバレッジが安全ラインと言われています。
ただし、トレーダーによっては3~5倍が安全ラインという方もみえます。
低いほど安全になるため、FX初心者の方は3~5倍を目安にされることをおすすめします。
とはいえ、トレードを重ねるうちに自分なりに安全だと思えるラインが見えてくるでしょう。
また、トレードスタイルによっても違ってきます。
1倍以下ならロスカット(強制決済)は発生しにくくなりますが、稼ぎも小さくなります。
安全の基準はトレーダーによりますが、より安全性を求めつつ稼ぎも増やしたい方は、3倍程度になるよう注文金額をコントロールすることをおすすめします。
残高10万円の場合、注文総額は30万円くらいですね。
なお、実効レバレッジを重要視しているのは最大25倍までしか設定できない国内FXです。
海外FXのような1000倍規模になると話は違ってきます。
海外FXを使うなら証拠金維持率の方で安全性を見ることをおすすめします。
注文に必要なお金(必要証拠金)に対して、どのくらい資金(有効証拠金)に余裕があるのか?を%で表したものです。
「有効証拠金÷必要証拠金×100」で計算します。
たとえば、1ドル100円時にドル円(USDJPY)をレバレッジ100倍で100万円注文するときの必要証拠金は1万円です。
口座残高が100万円ある場合、有効証拠金100万÷必要証拠金1万×100=証拠金維持率10000%となります。
海外FX業者のレバレッジ1000倍設定なら10万%です。
実効レバレッジを証拠金維持率に換算
目安として参考にしてください。
実効レバレッジ | 証拠金維持率 |
---|---|
1倍 | 50000% |
2倍 | 25000% |
5倍 | 10000% |
10倍 | 5000% |
20倍 | 2500% |
25倍 | 2000% |
50倍 | 1000% |
100倍 | 500% |
200倍 | 250% |
500倍 | 100% |
1000倍 | 50% |
2000倍 | 25% |
2500倍 | 20% |
5000倍 | 10% |
証拠金維持率の危険ラインは500%とも1000%ともいわれますが、トレーダーによります。
編集部では証拠金維持率1000%を切れば危険だと判断しています。
両建てを検討したり、ポジションの損切りを実行していきます。
「両建て」や「損切り」など専門用語についてはこちらをご覧ください。
つづいて、そのほかのレバレッジ種類について解説していきます。
取引単位のレバレッジから紹介していきます。
取引単位のレバレッジ
日本国内のFX業者で見かけるもので、実効レバレッジと一緒に表示する業者もあります。
取引単位のレバレッジは、1回のトレードごとに適用されている倍率です。
あまり気にする部分ではありませんが、こういったものもあります。
つづいて、最大レバレッジについて解説していきます。
最大レバレッジとは?

最大レバレッジとは取引単位での最大倍率を意味します。
これはFX業者によっても違ってきます。
日本では法人ではなく個人がトレードする場合に最大値(上限25倍まで)と決められています。
また、FX業者で開設できる口座タイプごと、FX取引する通貨ペアごとなどさまざまな条件によって最大値が違います。
レバレッジ倍率をトレーダーの判断で設定できる業者も多いです。
最大レバレッジ10倍の時の取引例
最大レバレッジ10倍だった場合、自己資金10万円であたかも100万円を運用しているかのようなトレードができます。
10万円の自己資金であれば本来は10万円しか運用できません。
ですが、10倍の100万円を注文できるわけです。
差額の90万円はFX業者に借りて注文することになります。
仮に1ドル=100円のときに1万ドルを買い注文し、1ドル=110円になったときにドルを売って円に替えたなら、10万円の利益です。
ここで、借りていた90万円を返したなら20万円が手元に残ります。
仕組みとしてはこのようになります。
レバレッジを利用せず、自己資金の10万円をそのまま運用(レバレッジ1倍)していた場合、同じトレードで11万円にしかなりません。
となると、資金は1.1倍、つまり10%の利益にしかならずその差は明白でしょう。
レバレッジなし=1倍で10%の利益が出たのであれば、レバレッジ10倍で取引していれば100%の利益を出すことも可能です。
レバレッジの数値分、利益が掛け算で増える訳です。
そのため、最大レバレッジが大きければ大きいほど、稼ぎやすくなるわけですね。
国内FX業者の最大レバレッジ
国内FX業者は金融庁の取り決め(金融商品取引法)によって最大25倍までのレバレッジに制限されています。
トレード資金が1万円ある場合、25万円相当額の注文ができる計算です。
制限されているとはいえ、単純に25倍稼ぎやすい環境です。
当然ながら損失も25倍増えやすくなっている点はご注意ください。
主な国内FX業者の最大レバレッジ
- ヒロセ通商・・・・・最大25倍
- 外為オンライン・・・最大25倍
- 楽天FX・・・・・・・最大25倍
- LINE FX・・・・・・最大25倍
- みんなのFX・・・・・最大25倍
- 外為どっとコム・・・最大25倍
- SBI FXトレード・・・最大25倍
- DMM FX・・・・・・最大25倍
- MATSUI FX・・・・・最大25倍
など
国内で人気のFX業者だけピックアップしましたが、どこも最大25倍です。
国内FXの注意点
国内FX業者では、急な変動でロスカットが発動してしまった場合、マイナスになるケースがあります。
すると借金になってしまいます。
借金状態になれば、業者から足りない分の補填を求められる(借金を請求される)でしょう。
(追証/おいしょうという)
そして、金融商品取引法により、業者側が借金を負担・補填するサービスは導入できないよう制限されています。
ですが、海外FX業者では日本の法律が適用されないため、追証なし=借金にならない仕組みとしてゼロカット制度を採用しているところがほとんどです。
そのため、編集部では借金リスクがなくなる海外FXをおすすめしています。
では、海外FXの最大レバレッジはどれくらいなのでしょうか。
海外FX業者の最大レバレッジ
業者により異なりますが、当サイトで紹介する業者では400~2000倍(条件しだいで無制限もあり)までさまざまです。
海外FX業者の最大レバレッジ比較
- XMトレーディング・・・最大1000倍
- エクスネス・・・・・・最大2000倍(条件しだいで無制限)
- HFM・・・・・・・・・最大2000倍
- BIgBoss・・・・・・・・最大5000倍
- TitanFX・・・・・・・・最大1000倍
- AXIORY・・・・・・・・最大2000倍
など
低いところでも1000倍です。
ほとんどは最大1000倍以上ですね。
一部無制限という海外FXもでてきましたが、1000倍もあれば充分です。
なお、Exnessの無制限レバレッジは実際のところ最大21億倍だったりします。
揚げ足をとれば無制限ではないわけですが、1円で21億円を注文できるとなれば、ほぼ無制限と言っても差し支えないでしょう。
では、1億倍のときどのようになるのか見てみましょう。
レバレッジ1億倍の時のトレード状況
仮にレバレッジ1億倍に設定したときどうなるのか。
エクスネスの口座スペックで計算してみます。
エクスネスのスタンダード口座は、10万通貨単位、注文できるロット単位は0.01~200 lot。
ここでUSDJPY(1ドル=100円とする)時に最大ロット数で注文するケースに必要な資金を計算してみます。
10万通貨単位×200 lot×100円÷1億=20円
10万×200×100=20億円を僅か20円の資金で注文できてしまいます。
恐ろしい金額ですね。
これが国内FXの最大25倍レバレッジであれば、8000万円もの証拠金が必要になります。
個人で注文できるレベルではないでしょう。
なお、誰でも自由に無制限レバレッジでトレードできてしまえば、エクスネス社は破綻します。
そこで無制限でトレードするにはいくつかの条件が設定されているため注意してください。
最大レバレッジでトレードするメリット・デメリット
メリット
- 少ない資金で稼げる
FXで稼ごうとする人の多くは副業なると思います。
サラリーマンや主婦さんが空いた時間にトレードする感じですね。
そして、そういったメインユーザーは自由に使えるお金がそれほどありません。
多くても100万円くらいではないでしょうか。
仮に貯金が1000万あったとしても、1000万円を全てFX投資に使う方はほぼいないでしょう。
そんな方にとって、高いレバレッジ環境があれば稼ぎやすくなります。
デメリット
- 負けると資金を失いやすい
- ギャンブルトレードになりやすい
ハイリターンがあればハイリスクになります。
海外FXの1000倍のようなハイレバレッジでトレードすれば、相場が逆行したときに損失が大きくなってしまうでしょう。
そうなるとFXで借金負って破産・・・なんて未来が頭をよぎるかもしれません。
ですが、海外FXを使っていれば借金リスクはありません。
トレード資金を借金した場合は別ですが、基本は余剰資金でやります。
FXで負けてもその資金を失うだけで生活が苦しくなるわけではありません。
また、ハイレバレッジ環境はギャンブルのようにトレードする方もいます。
先に紹介した、エクスネス社の無制限レバレッジでは、とくにギャンブルトレードする方が多いでしょう。
それではFX投資とは言えないため、海外FXを利用される方は1000倍程度に抑えておくことをおすすめします。
最後に、レバレッジ規制について解説していきます。
レバレッジ規制とは?

海外FXで良く取り入れられている仕組みです。
銘柄や口座タイプによる規制のほか、口座残高や取引量によって最大倍率を制限されます。
規制される基準は業者ごとに異なるため、ご利用の業者の公式サイトでご確認下さい。
FXの実効レバレッジに関するQ&A
まとめ
FX用語として見かける「実効レバレッジ」について解説しました。
主に国内FX業者で利用されている指標で、取引の安全性を示すものとして参考にできます。
自分で計算する必要もないため、業者の口座情報欄で確認しましょう。
そして、安全の目安いとされる3~10倍の範囲内でトレードしていきましょう。
なお、海外FXでは利用されていないことが多いです。
海外業者を使う場合は、口座情報に表示されている証拠金維持率を安全性を計る目安にしましょう。
(編集部では1000%を目安にしています)