オシレーター系インジケーターの1つ「Average True Range」を徹底解説!
メジャーな取引ツール「メタトレーダー」に標準搭載されている人気インジケーターの仕組みや使い方、メリット・デメリットをまとめました。
オシレーターとは相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を示すテクニカル指標の総称のこと
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Average True Range(ATR)とは?
ATRは1978年にWilderが開発した、価格の変動幅を定量化するテクニカル指標です。
移動平均からどのくらい離れて動くかを測定し、ボラティリティ(変動性)を示します。
トレンドの方向ではなく、相場の“動きやすさ”を判断するために使われます。
- ボラティリティ:価格が上下にどれだけ激しく動くかの度合い
Average True Range(ATR)の計算式と仕組み
- TR(True Range)=当日高‑安、当日高‑前日終値、前日終値‑当日安の最大値
- ATR=14期間(または設定期間)のTRの単純移動平均(または平滑化平均)
これだけでは難しいと思うので、もう少し詳細に解説します。
ATRは、「1日あたり、どれくらい価格が動いたか」を平均で示す指標です。複雑に見えるかもしれませんが、基本は以下の3つのうち、一番大きな値動きを選ぶだけです。
【計算手順】
- 当日の「高値 − 安値」(1日の純粋な値幅)
- 「当日の高値 − 前日の終値」(前日からのギャップ上昇を考慮)
- 「前日の終値 − 当日の安値」(前日からのギャップ下落を考慮)
この3つの中で一番大きい値を「True Range(真の値幅)」とします。
次に、この「True Range」を14日間などの期間で平均化することで「ATR」が算出されます。
ポイント
- ギャップ(窓)も考慮されるため、急な価格変動も反映されやすい
- 難しく考えず「最近、どれだけ激しく動いているかの平均」と捉えればOKです
つまり、ATRは相場の“落ち着き”や“荒れ具合”を数値で表すシンプルな指標です。
価格がよく動くほど数値は大きくなり、動きが小さいほど数値は小さくなります。
- True Range(TR):価格変動の実際の幅を正確に捉える指標
- 平滑化平均:急激な変化を緩和するために使われる移動平均の形式
MT4/MT5のAverage True Range(ATR)表示方法
プラットフォーム上で「挿入→インディケータ→ボラティリティ→Average True Range」を選び、期間(標準は14)を設定するだけで表示可能です。
1分〜日足まで対応し、チャート下部に単一ラインとして見やすく表示されます。
- MT4/MT5:FXでポピュラーな取引・分析プラットフォーム
- インディケータ:チャートに追加して分析補助するツール
Average True Range(ATR)の基本的な使い方
① ボラティリティの判断
ATRが上昇すれば市場の変動が激しい状態、下降すれば静かな相場であると判断できます。
【例】
USD/JPYの4時間足でATRが0.15から0.30へ急上昇した場合、通常の2倍近い値動きになっていることを示します。このときは、重要な経済指標の発表などで相場が急変動している可能性が高く、トレードのリスクが上昇していると判断できます。ATRは、方向性は示しませんが「今は相場が荒れている」「安定している」を客観的に知る指標として活用され、特に指標発表時に役立ちます。
② ストップロスの適切化
ATR×1.5〜2倍などの値をストップ幅に活かすことで、市場ノイズに耐えられる位置が設定可能です。
【例】
EUR/USDでATRが0.0020のとき、ATRの2倍(0.0040)を損切り幅に設定すると、一般的なノイズでは引っかからず、突発的な急変動にも耐えやすいです。例えばロングエントリー時、エントリーポイントから0.0040下にストップロスを置けば、ボラティリティに応じた現実的な損切ラインを自動で決められます。相場の波に応じた柔軟なリスク管理が可能になります。
③ ブレイクアウトやトレンド発生判断
低ATR状態(スクイーズ)から突然上昇する動きはトレンド初動と判断でき、エントリーチャンスとなります。
【例】
GBP/JPYの1時間足でATRが長期間低水準(0.50付近)で推移したあと、急に0.90まで上昇した場合、相場が新たなトレンドを形成し始めた可能性が高いです。この場合、直近の高値・安値を抜けたタイミングでブレイクアウトを狙ったエントリーを仕掛けることができます。ATRの急上昇は「これから大きく動く可能性」のサインとして、トレンド初動をとらえる際の重要な目安になります。
- スクイーズ:変動が収縮状態で、次の動きに備える段階
- ノイズ:小さな価格変動、誤差的動き
Average True Range(ATR)のメリット
ATRの最大の利点は、価格変動の「量」を客観的に把握できる点にあります。ATRが高いと“変動の波が大きい”、低いと“波が穏やか”と直観的に判断できるため、損切り幅やトレードの適期判断に効果的です。
たとえば急激にATRが上昇した場合、重要なニュースや突発的な相場変動の兆しと見なすことができ、ポジション管理を強化できます。
また、ATRはチャート上に一本のラインで表示されるため、他インジケーターを重ねても視認性が落ちず、使いやすい設計です。
Average True Range(ATR)のデメリット
ATRは「変動の大きさ」を示す指標であり、価格の方向性(上昇・下降)を知らせるものではありません。
そのため、ATRが高くなっていても、どちらに動くかは別の指標やチャート状況から判断が必要です。
またATRは過去の価格を基にして平滑化されているため、急な相場変動への反応には時間差が生じがちです。
突発変動時にストップを置いていても、ATRが上がる前に逆行に巻き込まれるリスクもあります。
さらに、期間設定を適切に調整しないと反応が鈍すぎたり過剰反応したりするため、相場に応じたバックテストと調整が不可欠です。
Average True Range(ATR)と相性の良いインジケーター
指標名 | 効果・補完内容 |
---|---|
ATR-based Channels | ATRで動的に上下バンドを描くKeltnerなどと併用で、ボラティリティ+方向性補完 |
ボリンジャー バンド | 標準偏差で変動範囲を示し、ATRで勢いの判断強化 |
RSI | ATRで変動幅、RSIで過熱状態を評価し逆張り判断に |
MACD | ATRで勢い確認、MACDで方向性確認 |
Supertrend | ATRに基づくトレンド判定系との相性◎ |
Average True Range(ATR)に関するQ&A
まとめ
ATRは、相場のボラティリティ(変動性)を可視化し、リスク管理やエントリー時の環境把握に役立つ重要なツールです。
他指標との併用でその用途はさらに広がります。
まずはMT4/MT5に標準設定で表示し、過去チャートでATRの特性を肌で感じながら使い方を理解していきましょう。