
・ADXを見ると何がわかるの?
・ADXが上昇したら買えばいい?
・期間設定やほかの指標との組み合わせ方は?



ADXはトレンドの方向ではなく、強さを確認するインジケーターです。
+DI・-DIや移動平均線などで方向を確認し、ADXをトレンド相場とレンジ相場の判断に使います。
【結論】トレンドの強さを数値で確認する指標
【おすすめ】初期設定の14期間から試す
【メリット】順張りする相場を選びやすい
【注意点】数値の上昇だけでは売買方向がわからない
- ADX・+DI・-DIの意味
- ADXの数値の見方と基本的な使い方
- MT4・MT5への表示方法
- 相性のよいインジケーターと注意点
ADX(エーディーエックス)は、現在の相場にトレンドがあるのか、その勢いがどの程度なのかを数値で確認できるインジケーターです。
ただし、ADXが上昇したから買う、低下したから売るという使い方はできません。ADX自体は上昇・下降の方向を示さないためです。
そこでここでは、ADXの仕組みや数値の見方、+DI・-DIとの関係、MT4・MT5での表示方法、実際のトレードで使うときの注意点を解説します。
ADXとはトレンドの強さを示すインジケーター
ADXは、J・ウェルズ・ワイルダー・ジュニアが考案したトレンド系インジケーターです。
価格が上昇しているか下降しているかではなく、現在のトレンドがどの程度強いかを0~100の範囲で表します。
一般的なADXでは、次の3本のラインを使用します。
- ADXライン:トレンドの強さを示す
- +DI:上方向への値動きの優勢度を示す
- -DI:下方向への値動きの優勢度を示す
ADXラインが上昇しているときは、上昇または下降のどちらかにトレンドが強まっている状態です。売買方向は、+DIと-DIの位置関係やローソク足、移動平均線などで確認します。
ADXラインでわかること
ADXラインが上向きならトレンドの勢いが強まり、下向きなら勢いが弱まっていると判断できます。
ただし、ADXの上昇は価格の上昇を意味しません。相場が強く下落しているときもADXは上昇します。
あくまでもトレンドの勢いを見るものです
+DIと-DIでわかること
+DIが-DIより上なら上方向の値動きが優勢、-DIが+DIより上なら下方向の値動きが優勢と判断します。
2本の交差は方向が入れ替わったことを示しますが、それだけで売買するとレンジ相場で何度もダマシにあう可能性があります。ADXラインや価格の高値・安値も一緒に確認しましょう。
ADXの数値の見方
ADXの判断基準として、20または25がよく使われます。
| ADXの数値 | 相場の目安 |
|---|---|
| 20未満 | 明確なトレンドがない可能性が高い |
| 20~25付近 | トレンドが発生するか確認する水準 |
| 25~40 | トレンドが比較的明確な状態 |
| 40以上 | 強いトレンドが続いている状態 |
この数値は絶対的な基準ではありません。通貨ペアや時間足によってADXの動き方が異なるため、20や25を超えた瞬間に注文するのではなく、直近の推移と比較してください。
数値より上昇・低下の流れも確認する
同じADX25でも、15から25へ上昇している場面と、40から25へ低下している場面では意味が異なります。
- ADXが上昇中:トレンドの勢いが強まっている
- ADXが低下中:トレンドの勢いが弱まっている
- ADXが低水準で横ばい:方向感の乏しい相場になっている可能性がある
なお、ADXが低下しても価格がすぐ反転するとは限りません。上昇や下降の速度が弱まりながら、同じ方向へ進み続けることもあります。
ADXだけでFXに勝てる?
結論から言うと、ADXだけを根拠に継続して勝つことは難しいです。
ADXは相場環境を判断するフィルターとして便利ですが、売買方向、エントリー価格、損切り位置まで決めてくれる指標ではありません。
- 売買方向をADXラインだけでは判断できない
- 具体的な注文価格は示さない
- レンジ相場ではDIのクロスが増えやすい
売買方向をADXラインだけでは判断できない
ADXが30へ上昇していても、強い上昇トレンドなのか、強い下降トレンドなのかはADXラインだけではわかりません。
+DIと-DIの位置関係、ローソク足、移動平均線などを使って売買方向を判断します。
具体的な注文価格は示さない
ADXが上昇しても、どの価格でエントリーし、どこで損切り・利確するのかはわかりません。
直近高値・安値、サポートライン、レジスタンスラインなどを利用し、注文位置を決める必要があります。
レンジ相場ではDIのクロスが増えやすい
方向感のないレンジ相場では、+DIと-DIが何度も交差することがあります。
このときADXが低水準なら、クロスを売買シグナルとして使わず、トレンドが明確になるまで待つ判断ができます。
売買シグナルを出す指標としてではなく、順張りする価値がある相場なのかを判断する補助指標として使うのがおすすめです。
ADXの計算式と仕組み
ADXは、高値・安値の変化から方向性を求め、値動きの範囲で調整したうえで算出します。
- 上方向と下方向の値動きを計算
当日の高値と前日の高値、当日の安値と前日の安値を比較し、+DMまたは-DMを求めます。 - TRを計算
当日の高値-安値、当日高値と前日終値の差、当日安値と前日終値の差の絶対値から最大のものを使用します。 - +DIと-DIを算出
一定期間で平滑化した+DM・-DMを、同じく平滑化したTRで割って100を掛けます。 - DXを算出
+DIと-DIの差の絶対値を、+DIと-DIの合計で割って100を掛けます。 - ADXを算出
DXをワイルダー独自の方法で平滑化し、トレンドの強さを表します。
標準的な計算期間は14です。実際のトレードでは取引ツールが自動計算するため、計算式を暗記する必要はありません。
ADXの基本的な使い方
- トレンド相場とレンジ相場を見分ける
- +DIと-DIで方向を確認する
- トレンドの勢いが弱まったことを確認する
トレンド相場とレンジ相場を見分ける
ADXの基本的な用途は、順張り戦略を使いやすいトレンド相場なのか、方向感の乏しいレンジ相場なのかを見分けることです。
ADXが低水準から上昇し、20~25付近を超えてきた場合は、トレンドが明確になり始めた可能性があります。
反対にADXが20未満で推移しているなら、DIのクロスだけでは注文せず、明確な値動きが出るまで待つ使い方ができます。
+DIと-DIで方向を確認する
- ADXが上昇し、+DIが-DIより上:上方向への順張りを検討
- ADXが上昇し、-DIが+DIより上:下方向への順張りを検討
DIが交差した瞬間に注文するのではなく、ローソク足が直近高値・安値を更新したか、移動平均線と同じ方向を向いているかも確認しましょう。
トレンドの勢いが弱まったことを確認する
高水準だったADXが低下し始めた場合は、トレンドの勢いが弱まっている可能性があります。
ただし、これだけで利確や反対売買を行うのは早計です。価格の高値・安値、DIの位置関係、移動平均線などを確認し、保有量の調整や損切りラインの引き上げを検討します。
ADXのMT4・MT5への表示方法
ADXはMT4・MT5に標準搭載されているため、別途ダウンロードやインストールをする必要はありません。
- MT4またはMT5を起動する
- 確認したい銘柄のチャートを開く
- ナビゲータを表示する
- インディケータ内のトレンド項目を開く
- 「Average Directional Movement Index」をチャートへ追加する
- 期間・色・水準を設定して確定する
上部メニューの「挿入」から「インディケータ」「トレンド」と進んで追加することもできます。
ADXはメインチャートではなく、チャート下部のサブウィンドウに表示されます。ラインの色は取引ツールや設定によって異なるため、色だけで判断せず表示名を確認してください。
最初は14期間がおすすめ
期間を短くすると価格変動への反応が早くなる一方、細かな動きに反応してダマシが増えやすくなります。
期間を長くすると動きが滑らかになりますが、トレンド発生の確認が遅くなります。
FX初心者は初期設定の14期間から始め、自分が取引する銘柄と時間足で検証しましょう。
ADXのメリット
- トレンドの強さを数値で確認できる
- 順張りに適した相場を選びやすい
- ほかの指標で出たシグナルを絞り込める
トレンドの強さを数値で確認できる
チャートの見た目だけでなく、トレンドの強さを数値で比較できる点がADXのメリットです。
現在の相場で順張りするのか、方向感が出るまで待つのかを判断しやすくなります。
DIクロスのダマシを減らしやすい
+DIと-DIはレンジ相場でも交差します。ADXが低いときのクロスを見送ることで、不要なエントリーを減らせます。
ほかのインジケーターと役割を分けられる
ADXは強さ、移動平均線は方向、RSIは値動きの強弱といったように役割を分けられます。
同じ情報を示す指標を何本も表示するより、異なる情報を補い合う組み合わせに向いています。
ADXのデメリットと注意点
- ADXラインだけでは方向を判断できない
- 価格より反応が遅れる
- 数値だけで売買するとダマシにあう
- 銘柄や時間足に応じた検証が必要
ADXラインだけでは売買方向がわからない
ADXラインが上昇しても、それだけでは買いと売りのどちらが優勢なのかわかりません。
+DI・-DIや価格の動きを確認せずに注文すると、強い下降トレンドで買ってしまう可能性があります。
トレンドの初動から遅れる
ADXは過去の値動きから計算するため、トレンドが発生してから数値が上昇します。
反応の遅れはダマシを減らすために役立つ一方、トレンドの最初からエントリーする用途には向いていません。
40以上でも反転するとは限らない
ADXが40や50を超えても、相場が過熱して反転するとは限りません。強いトレンドが続けば、ADXも高水準を維持します。
利確や反対売買は、価格の高値・安値、ローソク足、DIの位置関係などを確認して判断してください。
ADXと相性のよいインジケーター
| インジケーター | 補える情報 |
|---|---|
| 移動平均線(MA) | トレンドの方向 |
| RSI | 値動きの強弱やレンジでの位置 |
| MACD | 方向と勢いの変化 |
| ボリンジャーバンド | 価格帯とバンドの拡大・縮小 |
| ATR | 値動きの大きさ |
移動平均線(MA)との組み合わせ
移動平均線でトレンドの方向を確認し、ADXでその強さを確認します。
たとえば、価格が移動平均線より上にあり、移動平均線も上向き、+DIが-DIより上、ADXが上昇しているなら、上方向への順張りを検討できます。
RSIとの組み合わせ
ADXが低いレンジ相場では、RSIの買われすぎ・売られすぎを逆張りの参考にできます。
一方、ADXが上昇している強いトレンドでは、RSIが70以上または30以下の状態が続くことがあります。RSIが高いという理由だけで売る、低いという理由だけで買うのは避けましょう。
MACDとの組み合わせ
MACDで方向や勢いの変化を確認し、ADXでトレンドの強さを補います。
MACDが交差してもADXが低水準ならすぐ注文せず、価格が高値・安値を更新し、ADXも上昇するかを確認する使い方ができます。
ボリンジャーバンドとの組み合わせ
ボリンジャーバンドが拡大し、価格がバンドに沿って進み、ADXも上昇している場合は、トレンドが強まっている可能性があります。
ただし、バンドを一時的に抜けただけではダマシになることがあります。終値や直近高値・安値の更新も確認してください。
ADXを使ったトレード例
上昇トレンドで押し目買いする例
- 価格と移動平均線が上向きになっている
- +DIが-DIより上にある
- ADXが低水準から上昇して20~25付近を超える
- 価格が一時的に下げた後、反発を確認して買いを検討する
- 直近の押し安値などを基準に損切り位置を決める
下降トレンドで戻り売りする例
- 価格と移動平均線が下向きになっている
- -DIが+DIより上にある
- ADXが上昇してトレンドの強まりを示している
- 価格が一時的に上げた後、再下落を確認して売りを検討する
- 直近の戻り高値などを基準に損切り位置を決める
ADXに関するよくある質問
まとめ
インジケーター「ADX」について紹介しました。
ADXは、現在のトレンドがどの程度強いかを数値で確認できるインジケーターです。
ADXラインが上昇していても、価格が上昇しているとは限りません。+DI・-DI、ローソク足、移動平均線などで売買方向を確認しましょう。
また、ADXが40以上になっても相場の過熱や反転を意味せず、ADXの低下だけでトレンド終了とも判断できません。
最初は14期間を使用し、ADXをエントリーシグナルではなく、順張りに適した相場かどうかを判断するフィルターとして活用してみてください。



ADXで相場環境を確認し、方向と注文位置は別の根拠から判断しましょう






