ウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)完全ガイド｜計算式・設定・使い方・併用法まとめ

利用者はあまり見かけませんが効果的なインジケーター「Williams’ Percent Range(ウィリアムズ%R)」情報をまとめました。

Williams’ Percent Range(ウィリアムズ%R)利用時の注意点や仕組み、メリット・デメリットを確認して、ご自身のトレードにご活用ください。

ウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)とは

ウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)は、一定期間の高値安値レンジ内で現在の終値がどれだけ上側（強い）あるいは下側（弱い）に位置するかを示すオシレーター系指標です。

値域は通常-100〜0で、-20より上は買われすぎ、-80より下は売られすぎの目安として使われます。

ストキャスティクスに似ていますが、ウィリアムズ%Rはスケールが反転しているのが特徴です。

ウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)の計算式と仕組み

基本式は ウィリアムズ%R = (最高値 − 終値) ÷ (最高値 − 最安値) × (−100)。結果は-100〜0の範囲に収まり、0に近いほど強く、-100に近いほど弱い位置を示します。ストキャス%Kとほぼ同等の情報ですが、スケールが反転しています。プラットフォームによって0〜100で表示される場合がある点だけ注意しましょう。

ウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)の設定とパラメータ

標準は期間14、レベルは-20と-80が目安です。期間を短くすると敏感になりますがノイズが増え、長くすると安定しますがシグナルは遅れます。ボラの高い銘柄や時間帯では期間を少し伸ばす、静かな相場では短くするなど、事前にルール化した微調整が効果的です。仮想通貨などでは-10/-90に広げる手もあります。

ウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)の使い方

逆張り基本形は、-80以下からの戻り（ウィリアムズ%Rが-80を上抜け）で買い、-20以上からの反落（-20を下抜け）で売り。ただし強いトレンドでは張り付きやすいので、移動平均の傾きで方向を固定し、順張りの押し目/戻りだけを採用するのが堅実です。価格が高値更新なのにウィリアムズ%Rが戻り切れないダイバージェンスは減速サイン、ブレイク直後は価格のリテストとウィリアムズ%Rの再反転を待ちます。

ウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)のメリット

メリット1 シンプルな帯域判定で学びやすい

ウィリアムズ%Rは-100〜0の一本線と二本のしきい値だけで構成され、視覚的にとても分かりやすい指標です。まずは-80以下からの戻りで買い、-20以上からの反落で売りという基本形から始め、上位足の方向に一致するシグナルだけを採用すれば、余計な逆張りを減らしつつ再現性のある練習が可能になります。

メリット2 レンジ相場での初動把握に強い

価格が往復するレンジでは、端に近づくほど反転が起きやすく、ウィリアムズ%Rの帯域出入りがタイミングの目安になります。支持帯で-80以下からの上抜け、抵抗帯で-20以上からの下抜けが揃えば、短期のエントリーや利確判断に使えます。勢いの鈍化を数値で確認できるため、伸ばし過ぎや早過ぎる決済の防止に役立ちます。

メリット3 他指標と分業しやすく戦略に組み込みやすい

移動平均で地合い（方向）を決め、ウィリアムズ%Rでタイミング、ATRで損切り幅という分業がしやすいのが長所です。RSIやMACDと合わせて根拠が重なる場面だけ執行するルールにすれば、無駄打ちが減り期待値が安定。情報が重複しにくいので画面が煩雑にならず、初心者でも運用がシンプルに保てます。

ウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)のデメリット

デメリット1 強いトレンドでは張り付きやすく逆張りが危険

上昇相場で-20付近に貼り付いたまま上がり続ける、下降相場で-80付近に貼り付いたまま下がり続けるのが典型。逆張りで踏まれやすいです。対策は長期線（SMA200）の上下で方向を固定し、順張りの押し目/戻りのみ採用。ブレイク直後は必ずリテストやウィリアムズ%Rの再反転を待つことで、勢いに逆らうエントリーを減らします。

デメリット2 パラメータ次第でノイズ過多か遅延かに振れやすい

期間を短くすると初動は捉えやすい反面、些細な値動きにも反応してシグナル多発。長くすると安定する一方で、エントリーが遅れてリスクリワードが悪化します。まずは14から開始し、ATRや平均値幅に応じて±20〜30％の範囲で微調整。しきい値も-10/-90や-30/-70へ事前ルールで切り替えると一貫性が保てます。

デメリット3 単独サイン依存だと再現性が落ちやすい

ウィリアムズ%Rのレベル出入りだけで売買すると、時間帯や銘柄特性で成績がぶれがちです。移動平均の傾き、水平線、直近高安値など価格面の根拠と組み合わせ、条件が複数揃ったときだけ執行する仕組みが有効。検証と取引記録を通じて「同じ条件→同じ行動」を固定化し、期待値の安定を目指しましょう。

他のインジケーターとウィリアムズ%R(Williams’ Percent Range)の併用方法

移動平均線（SMA200・SMA50）×ウィリアムズ%R

SMA200の上下で方向を固定し、SMA50を押し目/戻りゾーンの目安にします。買いなら価格がSMA50付近で反発した足で、ウィリアムズ%Rが-80を上抜けたときにエントリー。損切りは直近押し安値の外＋ATR1.5倍目安。ウィリアムズ%Rが高値圏で反落し始めたら分割利確。

RSI × ウィリアムズ%R

RSI50を方向フィルターにして、上昇相場はRSI50超のときだけ買い検討。RSIが70超でもウィリアムズ%Rが-20近辺で張り付き拡張なら走る相場として保有、ウィリアムズ%Rが-20を下抜け始めたら利確優先。押し目はRSI40〜50帯で反転、同時にウィリアムズ%Rが-80上抜けで狙う。

MACD × ウィリアムズ%R

MACDがゼロ上かつ上向きのとき、ウィリアムズ%Rが-80以下からの上抜けで順張り買い。ブレイク後は価格のリテストとウィリアムズ%Rの再反転（-50近辺からの戻りでも可）を待つと精度が安定。利確はMACDのデッドクロス、またはウィリアムズ%Rの高値圏反落で分割。

ATR × ウィリアムズ%R

損切りは直近スイング外側＋ATR(14)の1.2〜1.8倍、口座リスク1％以内でロット逆算。ウィリアムズ%Rが端で張り付いているだけの局面は見送り、ATRが極端に低い（レンジ）/高い（イベント直後）はルールで回避。トレーリングはATR0.8〜1.0倍、ウィリアムズ%Rが高値圏から反落で部分利確。

ボリンジャーバンド × ウィリアムズ%R

トレンド継続は、ミドルバンド（MA20）押しからの反発でウィリアムズ%Rが-80上抜け→エントリー、+2σ接近でウィリアムズ%Rが-20下抜け始めたら分割利確。逆張りはレンジ上限の+2σタッチでウィリアムズ%Rが-20から反落、陰線確定で短期売り（下限−2σは買い）。ブレイクはバンド拡大＋ウィリアムズ%Rの端からの再反転を待つ。

ウィリアムズ%RのMT4・MT5・TradingViewへのインストール手順

MT4/MT5：挿入 → インディケータ → オシレーター → Williams’ Percent Range。期間を入力（例 14）、レベルに-20/-80を追加、色と太さを調整しテンプレート保存。
TradingView：インジケーター → 検索で“Williams’ Percent Range”を追加。Length（期間）、レベル（-20/-80）を設定。クロスでアラートを作ると監視負担が減ります。

ウィリアムズ%Rのよくある失敗と回避策

買われすぎ/売られすぎを“即逆張り”と誤解し、強トレンドで逆行を掴むのが最大の罠。上位足の方向一致、価格のリテスト確認、ウィリアムズ%Rの再反転を条件化しましょう。イベント直前はノイズが増えるため新規は控えるか、期間を少し長く設定。検証と運用の設定（期間・レベル・時間足）を必ず一致させ、結果を記録して改善します。

まとめ

ウィリアムズ%Rを使うときのポイントは以下のとおりです。

1 目的と時間軸を決める（順張りの押し戻り狙いか、レンジ逆張りか）
2 標準設定（期間14、-20/-80）で開始
3 上位足の方向を移動平均で固定
4 下位足でウィリアムズ%Rの端からの再反転と価格のリテスト一致を待つ
5 ATRで損切り幅とロットを設計、分割利確とトレーリングを明文化
6 月次で勝率・損益比・最大DDを点検、過剰最適化は避ける

これらに注意しつつFXトレードのご活用ください！