FXはギャンブルなのか?
それともギャンブルではないのか?
考え方、受け取り方は人それぞれですが、実際はどちらなのでしょうか。
ここではFX(外国為替証拠金取引)のギャンブル性と依存症リスクについて解説します。
FXはギャンブル?そうではない?

日本の税制面からみる違い
日本で確定申告するときに分類される所得で判断するなら次にようになります。
ギャンブル収益 | 一時所得 |
---|---|
国内FX収益 | 雑所得(分離課税) |
海外FX収益 | 雑所得(総合課税) |
所得の分類が明確に違うため、ギャンブルとは言えないでしょう。
なお、税率は国内FXの20%が最も有利ですが、所得が少なければ海外FXのほうが有利になるケースもあります。
ギャンブル(賭博)の意味から見る違い
金銭や品物などをかけて、勝ち負けを競うこと
FXも価格が上がるか下がるか?を予想してお金を投入(ベットする)ようなもの。
仕組みだけ見ればギャンブルと言えます。
ただし、この考え方では株式のような投資もすべてギャンブルとなってしまいます。
世界経済などさまざまな情報を分析して投資する行為はギャンブルとは言えません。
次で紹介するトレードのやり方しだいと言えるでしょう。
トレード方法による違い
FXトレードのやり方しだいでも変わります。
無計画で感情に任せてエントリーするならギャンブル、ルールに基づいて売買するのであれば投資と言えるでしょう。
ただし、ルールがあっても感情が入ってしまえば話は別です。
「なんとなくいけそう」「ルールを9割満たしているから大丈夫だろう」など感情で判断して売買した場合、それはギャンブルトレードになってしまいます。
ここまで3つの角度から違いを見てきましたが、当サイトでは「計画性のないFXトレードはギャンブル」だと考えています。
では、ギャンブルではないようにするためにはどうすればいいのでしょうか。
まずは、ギャンブルとFXの違いについてもう少し詳しく解説していきます。
ギャンブルとは?

ギャンブル(=賭博)とは、ばくち、賭け事のことです。
2030年頃にIRカジノがオープン予定の大阪府ではこのように紹介されていました。
【ギャンブル等とは?】
結果が偶然に左右されるゲームや競技等に対して、. 金銭を賭ける行為のことです。 日本では、パチンコ、競馬、宝くじ等があります。
【ギャンブル等の種類】
・・・(略)・・・
証券の信用取引(FX)(参考:大阪府 ギャンブル等とは?)
大阪府は、法的にギャンブルではないパチンコも含めているんですね。
(最初に”ギャンブル等”と「等」が付いているため解釈しだいで違うと言えてしまいますが)
とりあえずパチンコの話は置いておくとして、「ギャンブル等の種類」として「証券の信用取引(FX) 」が掲載されていました。
大阪府はそのように考えているようです。
ですが、FXはギャンブルなのか?を判断するポイントは「結果が偶然に左右される」点にあると言えるでしょう。
株式投資や不動産投資であっても結果は運要素が絡むため含まれてしまいますが、ここでは「100%結果が偶然に左右されるもの」と考えられます。
株式でも未公開株などはギャンブルのようなものですし、適当に売り買いしていればギャンブルといえるでしょう。
FXトレードにおいても、何の根拠もない感情任せや適当なエントリーであれば、結果は偶然に左右されてしまいます。
このときはギャンブルと言えるでしょう。
FXとは?
FXとは、Foreign Exchangeの略で外国為替証拠金取引と呼ばれるもの。
金融業者にお金を証拠金として預け、代行売買してもらい差額で利益を狙う取引のことです。
FX業者側の解説でも「投資です」と明言していないところが意外と多いです。
銀行も明言していないところがありますね。
大手を調査してみたところ、ホームページ上では次のような解釈でした。
- みんなのFX・・・投資
- ヒロセ通商・・・明記なし
- DMM FX・・・投資
- 外為どっとコム・・・投資
- SMBC日興証券・・・明記なし
- 楽天銀行・・・投資
- ソニー銀行・・・明記なし
- 三菱UFJ銀行・・・投資商品
- auじぶん銀行・・・明記なし
など
なお、銀行窓口や空港などにある外貨の換金所を利用すれば自分で為替差益を狙うことも可能ですが、金融業者に証拠金を預けて売買するわけではないためFXではありません。
ハイレバ環境の海外FXはギャンブル性が高くなります
一般的にFXトレードするときは、FX業者を利用します。
そして、すべての業者でレバレッジという仕組みが取り入れられています。
レバレッジ(Leverage)とは「てこの原理」という意味です。FXにおいては、金融業者に借り入れしてより大きな注文ができる仕組みを意味します。レバレッジ10倍なら、1万円の証拠金で10万円の注文が可能となります。単純に10倍の利益を狙えるわけですね。
FX業者には日本国内と海外の業者があり、国内は最大25倍までのレバレッジです。
海外FX業者は1000倍以上など高いレバレッジで売買可能なため、ギャンブルのようにトレードすることができてしまいます。
FXとギャンブルの違い

大きな違いは次の点にあります。
- 過去データの分析による勝率アップが可能
- リスクを減らす仕組みがある
- 世界経済の影響を受ける
- 適用される法律
- 税制と税金額
- 自動売買する仕組みがある
過去データの分析による勝率アップが可能
- 過去チャートの分析
- 分析補助ツール
- 世界の経済ニュース
為替相場は、膨大な過去データを分析することで勝率を上げていくことができます。
また、さまざまな分析補助ツールもあります。
さらに、世界の経済ニュースから方向性を予測することもできます。
(どこかで戦争発生⇒金価格が上がるなど)
ギャンブルにも攻略法と呼ばれるものはありますが、そのほとんどが賭け金の管理方法のようなものです。
ゲームの結果は絶対的に運で決まるもの。
勝率を上げていくことはできないでしょう。
このように、過去データである程度相場の動きを予測できる点が、FXを投資たらしめる要因と言えるでしょう。
逆に言えば、分析せず根拠なしにトレードすればただのギャンブルとなります。
リスクを減らす仕組みがある
FX業者には、強制的に注文したポジションを決済するロスカットという仕組みがあります。
業者ごとに決められた割合になった時点で、保有中のポジションを強制決済してくれるため、資金をすべて失うことは防げます。
なお、国内業者の場合は相場の急変でロスカットが大量発生することで処理が間に合わなくなる可能性あり。
そうなると借金になってしまうこともありますが、海外業者ならゼロカット制度があるため借金リスクもありません。
世界経済の影響を受ける
ギャンブルの勝敗は運しだいのため、イカサマを除けば結果を左右する要素はありません。
ブラックジャックのようなカードゲームの場合は、使用済みのカードを覚えておき、まだ表に出ていないカード情報を推測するカウンティング手法もあります。
ですが、ずっと同じテーブルを観察し続けなければいけませんし、一定数カードが使用されればシャッフルされるため実際に使えることはほとんどありません。
対してFXでは、世界の経済ニュースや、過去にどんなニュースが起こりそのときどう相場が動いたのか?をデータ分析から予測することができます。
わかりやすいところなら、地球のどこかで戦争が起これば金価格が上がる、といったもの。
(絶対ではありませんが)
この差は、ギャンブルと投資を分ける大きな違いと言えるでしょう。
適用される法律
ギャンブル | FX |
---|---|
刑法の賭博罪 | 金融商品取引法 |
ギャンブルは刑法の賭博罪が適用されます。
FXは金融庁が定める金融商品取引法をもとに判断されます。
なお、(健全な)海外FXは日本の法律が適用されません。
税制と税金額
日本では、競馬・競輪・競艇などの公営ギャンブルやパチンコ/パチスロなどのギャンブルで稼いだお金は一時所得として計上し確定申告します。
事業性がある場合は法人の税制が適用されますが、ハードルは高いです。
FXでは、国内業者を利用して稼いだ場合は一律20%の分離課税、海外業者の場合は雑所得で総合所得&累進課税にもとづいて計算します。
海外業者の利用時は収入額によって有利・不利が変わってきますが、国内業者利用時はギャンブル収益に課税される税金より有利になっています。
自動売買する仕組みがある
FXトレードはEAと呼ばれる自動売買ツールやベテラントレーダーに任せるコピートレードを利用できます。
これら自動売買システムはFX業者側が無料で提供していることもあり、規約違反などを気にせず気軽に使える環境が整っています。
ギャンブルにおいても、オンラインサービスであれば自動で賭けられるプログラムもいくつか確認できます。
ですが、ほとんどのオンラインギャンブルは利用規約で自動ツールの利用を禁止しています。
合法的に使うことはできないでしょう。
このように、FXとギャンブルにはさまざまな違いがあります。
つづいて、FXでギャンブル性が高くなるトレードについて紹介します。
これからトレードを始めようと思っている方だけでなく、すでに実践中の方も自分がギャンブルトレードになっていないか確認しておくことをおすすめします。
ギャンブル性があるFXトレード手法

FX投資が投機(ギャンブル)になるトレードには、以下のようなものがあります。
- 海外FXのハイレバレッジ設定で一発狙い
- 窓開けを狙った高ロットトレード
- 重要な経済指標発表時を狙った高ロットトレード
- 損切りや両建て機能のない自動売買ツールを放置する
海外FXのハイレバレッジ設定で一発狙い
海外FX業者の多くは1000倍以上のハイレバレッジでトレード可能です。
最大レバレッジ環境で預け入れた資金で買えるだけの最大ロットを注文して一発勝負していませんか。
とくに、一部の海外FXでは5000倍、さらには無制限レバレッジが利用できるところもあります。
業者側がギャンブルトレードになる環境を提供してしまっているの点はあまりよくありませんが、少ない資金で爆益を狙えてしまうのは事実です。
初心者のトレード状況を見ていると資金に見合わない高ロットで売買しているケースが多く見られます。
知識不足も原因ですが、稼ぎたい気持ちが強すぎる傾向がみられるため、ギャンブルのようなトレードになってしまうのでしょう。
窓開けを狙った高ロットトレード
窓開けとは月曜早朝の金融市場がオープンする時間帯のことです。
仮想通貨以外の金融市場は平日のみ売買されているのですが、土日にも中東の市場やクローズドでの取引があります。
その結果、月曜の窓開け時に休日分の取引が反映されることでチャートが大きく動くことがあります。
この窓開け時の変動を狙って高ロットで注文することで稼ごうとする方もいます。
ただし、多くの業者で禁止にしています。
重要な経済指標発表時を狙った高ロットトレード
上で紹介した窓開けトレードと同じように、相場への影響が強い経済指標発表の時間を狙って高ロットトレードする行為もギャンブルと言えるでしょう。
なお、多くのFX業者はこのタイミングだけを狙った高ロットトレードを規約で禁止しています。
損切りや両建て機能のない自動売買ツールを放置する
ギャンブルとの違いの1つでもあるFXの自動売買トレード。
利用するツールによっては、予測が外れたときに損切り設定するなど、リスク発生を防ぐ機能がないものも多いです。
そういった機能がないツールは必ずいつか全損します。
自動だから、調子よく稼いでくれているから、と自動売買システムを放置することもギャンブルと言えるでしょう。
編集部でも利用していますが、リスク対応機能のある自動売買ツールを選びましょう。
これらのトレードはギャンブル性が高くなります。
ギャンブルでは堅実に稼いでいくことが難しいため、編集部ではおすすめしません。
では、FXを投資にするにはどうすればいいのでしょうか。
FXを投資にするためのポイント

- 余剰資金でトレードする
- 長期視点で取り組む
- 為替に影響する経済情報を日々チェックする
- チャート分析方法を学ぶ
- 損切りルールを決める
余剰資金でトレードする
FXもギャンブルも一緒ですが、使うお金は必ず余剰資金にしましょう。
生活費を投入している時点で投資でもギャンブルと化します。
それどころか、依存症の可能性もでてきます。
とくに、FXで大損してしまった場合に取り戻そうとして手を出してしまうパターンは多いでしょう。
余剰資金が準備できない場合は、そもそもトレードしないことをおすすめします。
長期視点で取り組む
投資は長期視点で見ていくことが大事です。
プロトレーダーでも負けるときは負けます。
そういった好調・不調の波が必ずあるため、短い期間で判断するのは危険です。
年間を通してみれば、結果勝てていた、となるもの。
FXトレードの成績も、半年や1年スパンで結果を判断することをおすすめします。
為替に影響する経済情報を日々チェックする
毎日報じられている経済ニュースをチェックしましょう。
FX関連のSNSアカウントでは、経済発表情報を流している方も多いです。
自分で見やすいと思ったアカウントをフォローしておくことをおすすめします。
そうすれば効率的にチェックできるため、ストレスを感じることもないでしょう。
チャート分析方法を学ぶ
過去のチャート分析はトレードで勝つための必須条件と言えます。
過去のデータには、大災害や戦争などの経済情勢などすべての事象が含まれています。
特定の事象が起こったとき、相場はどう動いたのか?どのようなチャート形状のときどう動くことが多いのか?など一定のパターンがあります。
勝てるトレーダーほど過去チャートを見てきた時間が長いもの。
無料の取引ツールで過去チャートを見られるため、時間があるときに分析してスキルアップしていきましょう。
損切りルールを決める
どんなに確信をもってエントリーしても、100%はありません。
もし相場が逆行したときのために、必ず損切りルールを決めておくことをおすすめします。
すべてを失わなければ次があります。
編集部では、口座残高の2~5%ほどの損が発生したら損切りをおすすめしています。
ギャンブル依存症に対しFX依存症はある?

ギャンブル依存症は、ギャンブルにのめり込んでコントロール不能になる精神疾患の一つです。
【ギャンブル依存症とは?】
一般的に「パチンコや公営競技のような賭け事にのめりこむことにより日常生活又は社会生活に支障が生じ、治療を必要とする状態」を指します。
(参照:一般財団法人 ギャンブル依存症予防回復センター)
新潟県のギャンブル依存症治療拠点機関「さいがた医療センター」によると、FX依存も診断基準に当てはまればギャンブル依存症と判断するとのこと。
(参照:新潟日報 FX熱中 金銭感覚失う―ネット時代)
というわけで、FX依存症に関してはギャンブル依存症として診断されるようです。
インターネット上では「FX依存症」というフレーズを使っているサイトも見られますが、正式に「FX依存症」という言葉はないようです。
あくまでギャンブル依存症の一種として扱われます。
依存症患者の場合に限られますが、医療の世界ではFX=ギャンブルと言えるかもしれませんね。
FXはギャンブルではない?に関するQ&A
まとめ
FXはギャンブルではない?について解説しました。
ギャンブルになってしまうかどうか?はそのトレーダーしだいです。
エントリーの根拠がなく、気分や感情で売買している方はギャンブルだと言えます。
そうならないためにも、過去チャート分析は経済ニュースチェックは欠かさず取組み、スキルアップしていきたいですね。