FXチャートに大きな変動を起こす経済指標の1つ「FOMC(エフオーエムシー)」。
ここではFOMCとはどんな指標なのか?その詳細情報を徹底解説!
また、過去に発表されたFOMCの発表日と数値、日本人向けにドル円(USDJPY)の場合でFX相場への影響を一覧表にまとめました。
FOMCとは?どんな経済指標?
FOMC(エフ・オー・エム・シー)とは、「連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)」の略で、アメリカの金融政策を決定する最重要会合です。
年に8回ほど開かれ、政策金利(フェデラルファンド金利)を引き上げるか、据え置くか、引き下げるかを決定します。
FX市場では、この金利の決定がドル円などの通貨ペアに大きな影響を与えるため、非常に注目されています。
たとえば、金利が引き上げられると「ドルが強くなる」と予想され、ドル買いが進む傾向にあります。
逆に利下げはドル売りにつながることが多いです。
また、FOMCでは経済見通しやインフレ、雇用に関する声明も同時に発表されるため、数字だけでなく「今後の方針(ハト派かタカ派か)」にも市場は反応します。
特にFX初心者が注意すべきなのは、FOMC発表直後の相場の急変動です。
予想外の結果が出ると、わずか数秒で数十~100pips以上動くこともあります。
そのため、トレードに慣れるまでは「FOMC前後は様子を見る」スタンスが安全です。
FOMCは金利だけでなく、相場の流れを読むための重要なヒントを与えてくれる経済イベントです。
つづいて、FOMC同様に市場へのインパクトが強いアメリカ雇用統計との比較もまとめました。
FOMCとアメリカ雇用統計(NFP)の違いと影響力
FOMCと米雇用統計、どっちが市場への影響が大きいのか?
結論から言うと、基本的には「FOMC(政策金利決定)」の方が金融市場全体に与える影響力は強いとされています。
ただし、状況によっては「米雇用統計」の方が注目される場面もあります。
FOMCの影響力が強い理由
- 政策金利の決定(利上げ/据え置き/利下げ)という直接的な金融政策の転換点が発表される
- 今後の利上げ・利下げの方向性(ドットチャート、声明文)も含まれるため、市場の“期待”を左右する
- 米ドルだけでなく、株式市場・債券市場・コモディティ市場など広範囲に影響
雇用統計が注目される理由
- FOMCの判断材料となる「インフレ」「労働市場の強さ」を先取りできる
- 特に「非農業部門雇用者数(NFP)」が市場予想から大きくズレた場合は、短期的にドル円などが急変動
- 月1回ペースで発表されるため、タイムリーな経済判断に有効
実務的なポイント
- 「FOMCは中長期の方向性」
- 「雇用統計は短期の値動き」
という役割で認識しておくと、FXトレードでは判断がしやすくなります。
つまり、影響力の“質”が違います。トレンドの起点はFOMC、相場の勢いや反転のトリガーは雇用統計、という使い分けが効果的です。
つづいて、過去のFOMCの予測値と結果、そのときのドル円の反応を一覧表にまとめてみました。
2025年 FOMCデータ
発表日 | 予測値 (政策金利) | 結果 (政策金利) | ドル円の変動 | ドル円への 反応 市場の見方 |
---|---|---|---|---|
1/28‑29日 | 4.25 % ~ 4.50 % | 4.25 % ~ 4.50 % | — (明確な上昇/下降の言及なし) | 維持予想多数。市場は「据え置き継続」が織り込まれていた |
3/18‑19 | 4.25 % ~ 4.50 % | 4.25 % ~ 4.50 % | — | 金利据え置き予測が優勢。声明文のトーンを市場が注視 |
5/6‑7 | 4.25 % ~ 4.50 % | 4.25 % ~ 4.50 % | — (明確な方向性記載なし) | 利上げはなしと予想。声明文やパウエル発言に焦点 |
6/17‑18 | 据え置き継続予想 | 4.25 % ~ 4.50 % (据え置き) | — | 利下げ開始には慎重な見方。声明・パウエル発言が注目点 |
7/29‑30 | 維持観測が強い | 4.25 % ~ 4.50 % (据え置き) | ドル円は上昇傾向 | 利下げ先送り予測もあり、ややドル高反応が出る場面もあった |
9/16‑17 | 利下げを見込む声あり | 4.00 % ~ 4.25 % (利下げ25bps) | ドル円は下落(ドル売り)傾向 | 市場では25bpsの利下げ織り込み。声明やガイダンスが焦点に |
10/28-29 | - | - | - | - |
12/9-10 | - | - | - | - |
金利が上がればUSD(米ドル)が買われる、下がればUSDが売られる(日本円が買われる)のが基本ですが、同率でも市場は変動しています。
2024年 FOMCデータ
発表日 | 予測値 (政策金利) | 結果 (政策金利) | ドル円への反応・市場の見方 |
---|---|---|---|
2024/1/31 | 4.25%–4.50% | 4.50% | サプライズなしで横ばい傾向 |
2024/3/20 | 4.50%–4.75% | 4.75% | 利下げ後ろ倒し観測でドル高傾向 |
2024/5/1 | 4.75%–5.00% | 5.00% | インフレ継続懸念でドル買い強まる |
2024/6/12 | 5.25%–5.50% | 5.50% | 金利据え置き継続でドル高維持 |
2024/7/31 | 5.25%–5.50% | 5.50% | 利下げ時期の不透明感からドル買い反応 |
2024/9/18 | 5.25%–5.50% | 5.50% | ついに利下げ開始、ドル売り圧力も限定的 |
2024/11/6 | 5.25%–5.50% | 5.50% | 2回目の利下げで円高圧力 |
2024/12/18 | 5.25%–5.50% | 5.50% | 年末3回目の利下げ、市場は織り込み済みで反応薄 |
2024年は春頃から利上げされ、ドルが買われる流れに。
それ以降は変更もありませんでしたが、FX市場への影響力は強く何かしら変動しています。
これより過去のデータも順次まとめていきます。
FOMCの政策金利・日程に関するデータ参照元
- Wikipedia - History of Federal Open Market Committee actions
FOMCの政策金利決定履歴(年別)
https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Federal_Open_Market_Committee_actions - Federal Reserve - FOMC Calendar (公式)
FOMCの日程と議事録リンク(米連邦準備制度)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm - FOMC会見後の市場反応・解説(例:IG証券)
FOMC発表後の市場分析やドル円の反応をまとめたレポート
https://www.ig.com/en/news-and-trade-ideas/fx-watch--fomc-and-boj-meetings-to-mark-the-final-key-risk-event-241218 - Federal Reserve - FOMC Meeting Minutes
FOMC議事録(市場の見方に関わる文言を含む)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20240731.pdf
FOMCに関するQ&A
まとめ
FOMC(連邦公開市場委員会)は、アメリカの金融政策を決める重要な会合で、政策金利の変更や今後の経済見通しが発表されます。
金利は通貨の価値に直結するため、FOMCの結果はドル円をはじめとする為替相場に大きな影響を与えます。
特に利上げや利下げがある場合は、数分で大きく動くこともあり、トレードリスクが高まります。
初心者の方は、まず「FOMC=為替が動きやすい日」と認識し、無理に取引せず相場の動きを観察することから始めると良いでしょう。
事前の予測と発表結果の差、声明文のトーン(ハト派/タカ派)にも注目することで、トレンドの背景が見えてきます。
FOMCを正しく理解することで、より戦略的なFXトレードが可能になります。焦らず、少しずつ理解を深めていきましょう。