
DMIってどう使うの?
DMIとADXは何が違う?
DMIだけでFXに勝てる?
DMIのポイント
- 【結論】相場の方向とトレンドの強さを確認できる
- 【使い方】+DIと−DIの位置関係をADXで絞り込む
- 【メリット】順張りする方向と相場環境を同時に判断しやすい
- 【注意点】DIのクロスだけでは、レンジ相場のだましが多い
- DMI・+DI・−DI・ADXの意味
- MT4・MT5・TradingViewでの設定方法
- DMIの基本的な見方と注意点
- 相性の良いインジケーター
FXの取引ツール「MetaTrader(MT4・MT5)」に標準搭載されているインジケーター「DMI(ディーエムアイ)」について解説します。
DMIの仕組みや設定方法、基本的な使い方、相性の良いインジケーターまで紹介するので、トレンド相場を判断する参考にしてください。
DMIとは?
DMI(Directional Movement Index)は、J・ウェルズ・ワイルダー氏が1978年に発表したテクニカル指標です。
相場の方向性やトレンドの強さを判断する指標となります。
チャート上では相場の方向性(上昇・下降)とその強さを同時に判断できる以下3本の線で構成されています。
チャート上に表示されるライン
- +DI(Positive Directional Indicator)
直近の上昇力を示す緑線 - −DI(Negative Directional Indicator)
直近の下降力を示す赤線 - ADX(Average Directional Index)
トレンドの強弱を定量化した黒線(数値は0~100)
+DIと−DIで値動きの方向を、ADXでトレンドの強さを確認できるため、とくに順張りの相場環境を判断するときに役立ちます。ただし、DMIは過去の値動きをもとに算出するため、トレンド転換を先回りして当てる指標ではありません。
DMIで何がわかる?
方向⇒上か下か
- +DI > -DI なら上方向が優勢になりやすい
- -DI > +DI なら下方向が優勢になりやすい
強さ⇒トレンド相場かレンジ相場か
- ADXが上昇:トレンドが強まっている可能性
- ADXが低い/低下:トレンドが弱い(レンジ寄り)可能性
DMIの仕組みと計算ロジック
+DM / −DM(Directional Movement)
上昇幅=当日高値−前日高値
下降幅=前日安値−当日安値
上昇幅が下降幅より大きく、かつプラスなら上昇幅を+DMとして−DMを0にします。下降幅が上昇幅より大きく、かつプラスなら下降幅を−DMとして+DMを0にします。どちらの条件も満たさない場合は両方とも0です。
True Range (TR)
TR=次の最大値
①当日の高値−当日の安値
②|当日の高値−前日の終値|
③|当日の安値−前日の終値|
DIライン
+DI=平滑化した+DM÷平滑化したTR×100
−DI=平滑化した−DM÷平滑化したTR×100
+DIと−DIが算出されます。
DX・ADX
DX= |+DI − −DI| ÷ (+DI + −DI) × 100
ADXは、DXを設定期間に応じて平滑化して算出します。一般的な初期設定は14期間です。
DMIの計算の流れ
- 各期間の「高値と前日の高値」「安値と前日の安値」を比較し、上昇・下降の動きを算出
- その中で大きい動きを +DM(上昇) or −DM(下降) として記録
- +DM・−DM・TRをワイルダー方式で平滑化し、+DIと−DIを算出
- 2本のDIの差と合計からDXを求め、DXを平滑化してADXを算出
- TR(True Range):前日の終値も考慮した1期間の実質的な値幅
- 平滑化:一定期間の数値をならして、一時的な変動の影響を抑える処理
DMIを使うメリットとデメリット
メリット
- トレンドの方向性と強さを同時に判断できる
- クロスシグナルが視覚的にわかりやすい
- ADXと組み合わせて“だまし”を回避しやすい
トレンドの方向性と強さを同時に判断できる
DMIは+DI/−DIでトレンドの方向、ADXでその強さを可視化できます。
これにより「どの方向にエントリーすべきか」「そのトレンドは強いのか」を同時に判断可能です。
他のインジケーターのように“方向だけ”や“強さだけ”といった片側しか見えない問題を補えるのが大きなメリットです。
とくにトレンドフォロー戦略には最適です。
クロスシグナルが視覚的にわかりやすい
+DIと−DIが交差することで売買のシグナルが発生するため、初心者でも比較的視覚的に理解しやすいでしょう。
クロスを目安にトレンド転換を狙うエントリーがしやすく、また後述するADXを加えることでその信頼性を補強できます。
初歩的な使い方でも、基本に忠実に運用すれば実用性が高い点も魅力です。
ADXと組み合わせて“だまし”を回避しやすい
ADXを併用することで、DIクロスが“本物のトレンド”か、それともレンジ相場でのノイズなのかを見極めやすくなります。
たとえば、+DIが−DIを上抜けてもADXが低水準なら、レンジ相場の可能性を考えて見送るという判断ができます。
このようにADXをフィルターとして使えば、DIクロスだけでエントリーするより、トレンドの弱い場面を避けやすくなります。
デメリット
- レンジ相場では誤シグナルが頻発する
- 計算式が複雑で初心者には難解
- リアルタイム性に欠けることがある
レンジ相場では誤シグナルが頻発する
DMIはトレンド相場に特化した指標であり、相場が横ばい(レンジ)で動いているときには頻繁に+DI/−DIが交差して、だましシグナルが多発します。
ADXの数値が低いときはエントリーを控えるというルールを設けることである程度は回避可能ですが、それでも誤ったシグナルに翻弄されるリスクがあるため注意が必要です。
計算式が複雑で初心者には難解
DMIの仕組みはATR、DM(Directional Movement)など複数の要素を含むため、背景の計算ロジックを理解しようとすると初心者にとっては難解です。
とくに「なぜこの数値が今表示されているのか」を直感的に理解しづらいため、視覚的には使いやすくても根本的な理解に時間がかかるのが難点です。
リアルタイム性に欠けることがある
DMIは一定期間のデータをもとに平均処理を行うため、相場の急変などにはやや反応が遅れがちです。
とくにADXはトレンドが発生してから後追いで上昇するため、最初の波に乗り遅れる可能性があります。
エントリーが少し遅れる分、利幅が取りにくくなることもあるため、タイミングが重要な短期トレーダーにはやや不向きな側面もあります。
取引ツールへのDMIインストール&設定方法
DMIをMT4/MT5で使う手順
- MT4/MT5を起動
- 任意の通貨ペアのチャートを開く
- ナビゲーターウィンドウを表示
- 「Average Directional Movement Index」をチャートへドラッグ
- パラメーターを設定(Period:14が一般的)
- チャート下にDMI(ADX・+DI・-DI)が表示される
ポイントを解説
- MT4・MT5では「Average Directional Movement Index」または「Average Directional Movement Index Wilder」として表示されます
- ADX(トレンドの強さ)と、+DI(上昇圧力)、−DI(下降圧力)の3本線で構成され、トレンド発生と方向を判断するのに役立ちます
DMIをTradingViewで使う手順
- TradingViewにログイン
- 任意のチャートを表示
- 上部メニュー「インジケーター」をクリック
- 検索窓に「DMI」と入力
- 「Directional Movement Index(DMI)」を選択
- チャート下部にDMI(+DI・-DI・ADX)が表示される
ポイントを解説
- TradingViewでは、検索欄に「DMI」または「Directional Movement Index」と入力するとすぐに見つかります
- デザイン性が高く、色や線の種類、閾値ラインの追加などカスタマイズもしやすいのが特徴です
初心者向け DMIの基本的な使い方
- +DI/−DIのクロスで売買判断
- ADX:トレンドの強さを確認
- ADXの25ラインを目安にする
① +DI/−DIのクロスで売買判断
+DIが−DIを上抜けると上方向、−DIが+DIを上抜けると下方向の値動きが優勢になった可能性があります。
ただし、クロスだけで売買を決めず、ADXの水準や傾き、価格の位置も確認しましょう。
クロス:2つのラインが交差すること。売買シグナルになる
② ADX:トレンドの強さを確認
一般に、ADXが25以上なら比較的強いトレンド、20以下ならトレンドが弱い相場の目安とされます。
ただし、銘柄や時間足によって適切な水準は異なるため、20・25を絶対的な売買基準にはしません。
ADX(Average Directional Index):トレンドが強いかどうかを数値化したライン
③ ADXの25ラインを目安にする
25ラインをトレンドの強さの目安として使うのは、+DI・−DIではなくADXです。+DIと−DIで方向を確認し、ADXが25を上回って上昇している場面を順張りの候補にします。
ただし、ADXが25へ到達する前からトレンドが始まることもあり、固定的な基準ではありません。
ダマし:一時的な誤シグナルで本格的なトレンドにつながらない動き
エントリー例
- ADXが上昇中かつ+DIが−DIを上回る → 上昇方向への順張りを検討
- ADXが上昇中かつ−DIが+DIを上回る → 下落方向への順張りを検討
さらに、RSIやMACDを併用すると、過熱感やトレンドの勢いを別の角度から確認できます。
複数の根拠がそろっても勝率が保証されるわけではないため、損切り位置は事前に決めておきましょう。
中級~玄人向け DMI応用テクニック
- DI間隔によるトレンド強弱判断
- ADXの傾きによる勢い察知
- DIクロスとADXの組み合わせ
- 複数タイムフレーム分析
応用①:DI間隔によるトレンド強弱判断
+DIと−DIの間隔が広がっていると、優勢な方向への値動きが強まっている可能性があります。ADXの傾きや移動平均線、値動きそのものも合わせて確認しましょう。
応用②:ADXの傾きによる勢い察知
ADXの上昇はトレンドの強まり、横ばいや低下は勢いの鈍化を示す目安になります。ただし、ADXが低下しても、現在の方向へ価格が動き続けることはあります。ADXだけで利確や反転を決めないようにしましょう。
応用③:DIクロスとADXの組み合わせ
+DIと−DIのクロスは方向の変化を示す候補になりますが、ADXが低下している場面ではトレンド転換ではなく、レンジへ移行している可能性もあります。クロス後の高値・安値の更新やADXの再上昇を確認して判断します。
応用④:複数タイムフレーム分析
日足や4時間足でDIの方向とADXの強さを確認し、15分足などの下位足でエントリータイミングを探します。上位足と下位足の方向が一致する場面に絞るのが基本です。
DMIと相性の良いインジケーターと併用方法
- 移動平均線(MA)
- RSI(Relative Strength Index)
- MACD(マックディー)
- ボリンジャーバンド
- ストキャスティクス
移動平均線(MA)
DMIで方向性(+DI/−DI)を確認したうえで、移動平均線と価格の位置関係から大きなトレンドの流れを見ます。
たとえば、+DIが−DIを上回り、さらに価格が長期移動平均線より上にあるなら、上昇方向への根拠が重なります。逆に−DIが優勢で、価格が移動平均線より下にあれば、下落方向への根拠が重なります。
DMIによる方向・強さと、移動平均線による相場の流れを合わせて使うのがポイントです。
RSI(Relative Strength Index)
DMIでトレンド方向を確認しつつ、RSIで相場の過熱感を判断します。
たとえば+DIが優勢でADXが上昇していても、RSIが70を超えていれば、すぐに買わず押し目を待つ判断ができます。ただし、強い上昇相場ではRSIが70以上の状態を維持することもあります。
DMIで方向と強さを、RSIで買われすぎ・売られすぎの目安を確認できるため、順張りのタイミングを絞りやすくなります。
MACD(マックディー)
MACDはモメンタムとクロスを使ったトレンド確認に役立ちます。
DMIで+DI/−DIがクロスしトレンド方向が見えた後、MACDでも同方向のシグナル(ゴールデンクロスやデッドクロス)が出た場合、エントリー根拠が重なります。
MACDでタイミングを補完することで、DMI単体では判断しにくいエントリーポイントが明確になります。
ボリンジャーバンド
DMIでトレンドが強まっていることを確認し、価格がボリンジャーバンドを拡大させながら抜ける場面を、ブレイクアウトの候補として見る方法があります。
DMIがトレンドの方向と強さを、ボリンジャーバンドが値動きの拡大・収縮や価格の位置を示すため、勢いのあるブレイクアウトを探すときに役立ちます。
ストキャスティクス
DMIが示すトレンドの方向に対して、ストキャスティクスでエントリータイミングを測ります。
たとえば、DMIが上昇トレンドを示しているときに、ストキャスティクスが20以下(売られすぎ)から上昇していれば、押し目買いの好機と判断できます。
DMIが全体の方向、ストキャスが短期のタイミングを補完してくれます。
DMIに関するよくある質問
まとめ
DMIについて解説しました。
DMIは、+DIと−DIで値動きの方向を、ADXでトレンドの強さを確認できるインジケーターです。
DIのクロスだけではレンジ相場のだましが発生しやすいため、価格の高値・安値や移動平均線など、異なる役割の判断材料と組み合わせることをおすすめします。
MT4・MT5やTradingViewで設定し、まずは14期間のまま過去チャートやデモ口座で動きを確認しましょう。ADXの数値を絶対視せず、相場や時間足に合う判断方法を検証することが大切です。





