FXトレードするときに、一般人が金融市場で直接売買することはできません。
売買を代行してくれるFX業者にトレード資金を預け入れ(=証拠金)それを元に取引していきます。
証拠金にはいくつかの種類がありますが、「余剰証拠金(よじょうしょうこきん)」がマイナスになれば、預けている資金以上の損失が発生する可能性も…。
そこで余剰証拠金とはどんなものなのか、マイナスにならないためにしておきたいこと、なってしまったときの対処法についてまとめました。
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FXの余剰証拠金とは?
マイナスへの対処法を紹介する前に余剰証拠金とはどんなものか?について簡単に解説しておきます。
ご存じの方は、こちらから次の項目まで飛びます。
FXの証拠金の種類と計算方法
- 有効証拠金
- 必要証拠金
- 余剰証拠金
- 証拠金維持率
FXトレード時にはこれらの証拠金が関わってきます。
それぞれについて見ていきましょう。
有効証拠金とは?
有効証拠金とは、トレードで使える証拠金残高のこと。
次の計算式で算出できま鵜s。
現金残高+ボーナス(クレジット)+スワップ+為替差損益
たとえば私が使っているXMで口座開設すると、入金不要の13000円ボーナス、さらに初回入金額に対して100%ボーナスが付与されます。
もしトレード資金として3万円入金した場合、
現金3万円+入金不用ボーナス13000円+初回入金100%ボーナス3万円=73000円
の有効証拠金で始められるわけです。
その後注文すれば、そのポジションを持っている間は為替の値動きに合わせて為替差損益がリアルタイムに上下します。
日を跨いで保有した場合は、1日ごとにスワップ金利というものも加算されていきます。
これらの影響で、有効証拠金も常に変動している状態になるわけです。
必要証拠金とは?
必要証拠金とは、FXで通貨ペアを注文するときに最低限必要なお金のことです。
またXMで例えますが、スタンダード口座(1 lot=10万通貨/レバレッジ1000倍)でUSDJPY(ドル円/1ドル140円で計算)を1ロット注文したいときの必要証拠金は以下のとおりです。
140円×(10万通貨/lot×1ロット)÷レバレッジ1000倍=14000円
この条件下において1ロット注文するための必要証拠金は14000円あればOKとなります。
XMなら1万円を入金すればボーナス込みで有効証拠金33000円で始められるため、とりあえず注文するだけであれば可能です。
(資金に余裕がなさすぎるためおすすめはしません)
このケースでは、XM内部では1lot=10万通貨=10万ドル=1400万円を注文していることになります。
XMのハイレバレッジ環境下なら、わずか14000円で高額な注文ができてしまうわけですね。
ちなみに、国内FX業者では最大レバレッジが25倍のため、単純に1000倍÷25倍=40倍の証拠金がなければ同じ額を注文できません。
FXでは注文金額が大きいほど稼ぎやすくなるため、ハイレバレッジ環境でトレードできるXMのような海外FXは有利と言えるでしょう。
余剰証拠金とは?
この記事の本題でもある「余剰証拠金」とは、トレードに使える証拠金があといくら残っているのか?を表します。
計算式は次のようになります。
有効証拠金 - 必要証拠金 = 余剰証拠金
たとえば、XMで口座開設して1万円入金した時点では「現金1万+入金不要ボーナス13000+初回入金ボーナス1万=33000円」の残高がある状態です。
有効証拠金33000円のすべてが余剰証拠金となります。
なにかポジションを持っている状態なら、ポジションを注文するのに必要な必要証拠金を有効証拠金から差し引きます。
そして、この余剰証拠金が少なくなると厳しい状況になってしまいます。
よって、余剰証拠金を常に余裕がある状態でトレードできれば簡単に資金を失うことはないでしょう。
逆に余裕がなければ、精神的に追い込まれ普段通りのトレードもできなくなり勝率も落ちてしまうでしょう。
なお、FXトレードするときは余剰証拠金があとどれくらいあるか?より「証拠金維持率」という数値で把握していきます。
証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは現在の口座の安全性を示す数値で、FX取引ツール上に%で表示されます。
計算式は以下のとおりです。
有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
ポジションを持っていない状態は0ですのでツール上には表示されません。
たとえば、有効証拠金10万円、必要証拠金1万円なら、維持率1000%となります。
上で紹介した残高33000円のケースで、必要証拠金14000円(余剰証拠金19000円)の場合で計算してみると、維持率は約136%です。
初心者の方が維持率100%と聞くと十分高い倍率だと感じるかもしれませんが、この割合はかなり瀬戸際な状態だったりします。
危険な維持率だと判断するボーダーラインはトレーダーによりますが、500%~1000%を目安にしている方が多い印象です。
個人的には1000%未満で黄信号点灯です。
そうならないためにも、残高10万円なら必要証拠金が数万円必要になる注文は絶対に避けましょう。
このように余剰証拠金が少なくなるトレードは、ギャンブル要素が強くなってしまうためできるだけ避けることをおすすめします。
ちなみにXMの場合、維持率が20%を切るとロスカット(強制決済)が発動し20%以上に回復するまで保有ポジションを強制的に精算します。
状況によっては全てのポジションが強制決済されることになるでしょう。
ここまでは余剰証拠金について解説してきました。
つづいて、余剰証拠金がマイナスになる状況について解説していきます。
そもそも余剰証拠金がマイナスになるケースは維持率0%以下の状態を意味します。
通常ならロスカットされることでマイナスになる前に対処されます。
でもマイナスになる場合もあるのです。
ではなぜマイナスになってしまうのか、その原因と対処方法について見ていきましょう。
余剰証拠金がマイナスになる原因と対処方法
そもそも余剰証拠金がマイナスになる原因とは?
マイナスになる原因には以下のものが挙げられます。
- 短時間での急激な為替変動
- 週をまたいだときの週初めの価格差
短時間での急激な為替変動
余剰証拠金がマイナスになる原因は、短時間での急激な為替変動(フラッシュクラッシュ)と後述する週末から月曜日にかけて発生する価格差に分類できます。
相場の急変動によって処理が大量発生し、強制ロスカットの執行が間に合わない場合、口座残高がマイナスになることがあるため注意しましょう。
FXでは短時間に急激な為替変動が生じることがあります。
重要な経済指標の変化や政治家などの発言、大災害などが原因となり平均すると1年間に数回は急激な為替変動が生じています。
2015年1月15日に発生したスイスフランショックでは、20分間ほどでスイスフランが暴騰すると同時にユーロが暴落しました。当時のスイス国立銀行は自国通貨スイスフランの上昇を抑えるために、対ユーロで設定していた1ユーロあたり1.20スイスフランの上限を撤廃すると発表します。2011年9月以降、スイス国立銀行は外国為替市場で無制限にスイスフランを売却してユーロを買いフラン高になるのを防いでいました。
しかし、欧州中央銀行が量的緩和を行うと予想されたため、異例の政策継続を断念します。スイスの無制限の為替介入を中止したことで、スイスフランショックが発生しユーロは41%も暴落しました。インターバンク市場ではFX業者に価格を提示できず値が付かない値飛びが発生します。値が付かないため通常の注文も強制ロスカットも行われず、値が付いた時点では口座残高がマイナス表示で決済されているというケースが多く見られました。
長期間にわたって通貨の取引を行い積み上げた利益がスイスフランショックによって一瞬で消え去り、大損失が発生して多くの投資家が借金を抱えるようになります。また、個人投資家だけでなく老舗の業者であるアルパリUKも破綻に追い込まれました。
フラッシュクラッシュについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
週をまたいだときの週初めの価格差
週末と月曜日の価格差は「月曜日の窓」と呼ばれていて、余剰証拠金がマイナスになる原因の1つです。
基本的にFX市場は、土曜日と日曜日は市場が休みで取引されていません。
ただし、土日も開いている中東の市場やクローズドでの取引量が大きければ、月曜の窓開け時に極端な値動きとして反映されます。
週末に取引を持ち越し、月曜日の市場オープン時に損失方向に動いた場合、強制ロスカットが多発して処理が間に合わなくなる可能性があります。
結果、残高がマイナスになり借金を抱えてしまうでしょう。
また、週末に持ち越すポジションは、実効レバレッジが高いほど口座残高の減少する割合も大きくなるため注意してください。
注文ロット数が大きければ、借金は数百万円から数千万円になることもあるでしょう。
実効レバレッジをなるべく低く設定していれば、月曜日の窓が発生しても慌てずに取引を継続できます。
実質的な運用レバレッジのことで、ポジション評価額を有効証拠金額で割った値のことです。
実効レバレッジを低く設定するのはマイナスの回避方法としておすすめです。余剰証拠金をマイナスにしないためには、実効レバレッジを低く設定するだけでなく世界情勢が不安定な場合は取引を見送る方が安全です。
また、週末に取引を持ち越さないようにするのもマイナスを防ぐ有効な方法です。上限近くまでレバレッジを上げて取引してしまうと、わずかに為替レートが変動しただけで強制ロスカットが発生する可能性があります。
世界情勢が不安定な場合やどこかの国で選挙がある場合など、週末に取引を持ち越さないように注意しましょう。
これらのポイントに注意すれば、余剰証拠金のマイナスが発生するリスクを減らせるでしょう。
なお、余剰証拠金がマイナスになると借金になってしまいます。
とくに日本国内のFX業者は、ゼロカットという余剰証拠金マイナスを帳消しにする仕組みがありません。
できるだけFXのリスクを減らすためにも、借金リスクがゼロになるゼロカットがある海外FX業者を選ぶことをおすすめします。
余剰証拠金がマイナスになっても安心なFX業者
国内FX業者はゼロカット制度がない
余剰証拠金マイナスが発生した場合、基本的に損失分はFX会社への借金となるため返済しなければなりません。
とくに日本国内の業者は、金融商取引法の決まりでゼロカットが導入できません。
でも、海外FXならほとんどの業者でゼロカット制度があります。
FXで一番怖いのは破産すること。
海外FXを選んでおけば、少なくとも借金リスクはなくせます。
とくに、日本人に人気が高く、私も利用しているXMトレーディングはおすすめです。
ロスカット基準が20%になっているため、余剰証拠金が少なくなってもかなり耐えられることから私も何度か助けられました。
なお、海外FXといっても信頼性はさまざまです。
いまでは多くの業者が日本語対応していますし、XMよりハイスペックな業者も増えてきました。
ですが、中には「ゼロカットあり」と明言していても、いざことが起これば借金請求してくる詐欺業者もいます。
FXの余剰証拠金に関するQ&A
- 余剰証拠金はいくらあればいい?
- 余剰証拠金が不足するとどうなる?
- 余剰証拠金を増やすには?
- 余剰証拠金の計算方法は?
Q1.余剰証拠金はいくらあればいい?
いくら必要か?はその方のトレードスタイルによって違います。
編集部では少なくとも必要証拠金の10倍以上をおすすめします。余剰証拠金の額は、取引のリスク許容度や取引スタイルによって異なります。リスクを抑えた取引をする場合は、余剰証拠金を多めに確保しておきましょう。逆に、リスクを取って積極的に取引をする場合は、余剰証拠金を少なめに抑えた上でロスカットか大儲けか、の一発勝負にするほうが逆に安全と言えます。なくなったら入金してまたギャンブルトレードを繰り返します。
Q2.余剰証拠金が不足するとどうなる?
トレードに負ける可能性が高くなります。
余剰証拠金が不足すると、追加の取引ができなくなったり、損失を抑えるためのロスカットが早まったりしやすくなります。ロスカットとは、損失が一定額を超えると、自動的にポジションが決済されてしまう仕組みです。ロスカットが早まると、損失額が大きくなる可能性があります。
Q3.余剰証拠金を増やすには?
余剰証拠金を増やすには、以下の方法があります。
- 入金する
- 保有ポジションを精算する
証拠金を追加するのは、最も確実な方法です。ただし、追加の資金が必要となるため、注意が必要です。保有ポジションの数量を減らすと、取引に必要な証拠金が少なくなるため、余剰証拠金が増えます。ただし、取引の収益も減るため、注意が必要です。
Q4.余剰証拠金の計算方法は?
こちらの項目をご覧ください。
まとめ
FXトレードで余剰証拠金がマイナスになる原因と対処方法を紹介しました。
急激な為替変動はなかなか予測できるものではありません。
できるだけ予測不能なトラブルに巻き込まれないよう、危険な時間帯のトレードは避けましょう。
また、そんな不運に見舞われても借金を負わなくて済むよう、まずは海外FXで損失を補填してくれるゼロカット制度があるところを選ぶと安心です。
編集部では、過去にゼロカット発動の実績もあるXMトレーディングをおすすめします。