
米国雇用統計ってどんなもの?
いつ発表がある?



発表時にトレードしてもいい?
FX初心者が狙って稼ぐことはできる?
FXを始めると、必ずと言っていいほど耳にするのが「米国雇用統計」です。
「毎月すごく相場が動く指標」「ドル円が一気に上下する日」といったイメージを持っている人も多いのでは?
私もFXを始めた初期に爆益を狙った覚えがあります。
(稼げませんでしたが…)
ただ、そんなFX初心者にとって米国雇用統計とはそもそも何の指標なのか、どうしてチャートが激しく変動するのか、といったことは知らないままトレードしている人が大半ではないでしょうか。
そこで、この記事ではFXで非常に重要な経済指標の1つである「米国雇用統計」を徹底解説!
米国雇用統計の基本情報や見方、値動きの特徴、FX初心者が注意すべきポイントまでまとめました。
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米国雇用統計とは?FXで注目される理由
米国雇用統計とは、アメリカの雇用状況をまとめた重要な経済指標です。
毎月発表され、アメリカ経済が強いのか?弱いのか?を判断する材料として世界中のトレーダーが注目します。
FXトレードでもとくに要注意の経済指標とされているのは、アメリカの景気や金利の見通しに直結しやすいからです。
米国経済が強ければ、金利の利下げが遠のいたり利上げ観測が強まるなどしてドルが買われやすくなることがあります。
逆に雇用が悪化していれば景気減速が意識されてドルが売られやすくなることがあります。
このように、為替に大きく影響を与えるアメリカの金利への影響力が強いため、発表前までの相場のトレンドが変わる可能性も高くなります。
今後の為替の動きを左右する力を持った指標とも言えるでしょう。
テクニカル分析でトレードしている人なら、基本的にすべての事象はチャートの含まれるため意識しなくても良いのですが、現実的には指標発表前のトレードは控えるトレーダーも多いです。



FX初心者なら、米国雇用統計の発表がある日はトレードを控えることをおすすめします。
米国雇用統計で発表される重要な3つの項目
米国雇用統計というと1つの項目に関する発表のように感じるかもしれませんが、実際には複数の雇用関連の項目があります。
まずは次の3つについて押さえておきましょう。
- 非農業部門雇用者数(NFP)
- 失業率
- 平均時給
非農業部門雇用者数(NFP)
最も有名なのが「非農業部門雇用者数」です。
農業以外の分野で働く人が前月からどれくらい増えたか、減ったかを見る数字で、雇用の勢いを判断する材料として注目されています。
市場ではこの数字が注目されやすいため、事前に発表されている予想から大きくズレていると相場が急変しやすくなります。
失業率
失業率は働きたいのに仕事がない人の割合を示す数字です。
雇用者数が増えていても失業率が悪化している場合もあり、景気の実態を多角的に見るのに役立ちます。
平均時給
平均時給は賃金の伸びを確認するための指標です。
賃金が強く伸びていると、インフレ圧力が残っていると判断されやすいことから金利見通しに影響することがあります。
上記3つを含む全項目一覧
企業向けと個人向けで2つに分かれています。
事業所調査(Establishment Survey)
- 非農業部門雇用者数
農業従事者以外の雇用者数の増減 - 民間部門雇用者数
非農業部門雇用者数から政府職員を除いた数字 - 週労働時間
全従業員の平均週労働時間 - 残業時間
製造業における平均残業時間 - 平均時給
全従業員の平均時給 - 平均週賃金
週労働時間×平均時給 - 業種別雇用者数
細分化された業種ごとの雇用者数 - ディフュージョン・インデックス
雇用者数が増加した産業と減少した産業の割合
家計調査(Household Survey)
- 失業率
労働力人口に占める失業者の割合 - 労働参加率
16歳以上の人口のうち働く意欲がある人の割合 - 雇用者数
働いている人の数 - 失業者数
職探し中で就業していない人の数 - 労働力人口
雇用者数と失業者数の合計 - 不完全雇用率(U-6)
職探しを諦めた人や、生活のためにパートタイムで働いている人なども含めた広義の失業率。 - 長期失業者数
27週間以上継続して失業している人の数 - 理由別の失業者数
レイオフ(一時解雇)、自発的離職、新規参入者などの数字
主要な3つも含めて、全部で10数項目から構成されています。
3項目以外はあまりしっかり見なくても問題ありませんが、主要な3項目を見るついでにでもぜひ見てみてください。
なお、トレーダーによっては一番注目されている非農業部門雇用者数だけを見て判断してしまう人もいるかもしれませんが、雇用者数・失業率・平均時給をセットで見ることが大事です。
なぜ米国雇用統計で相場が大きく動く?
米国雇用統計で相場が動く理由は、発表された数字より市場(世界中のトレーダー)がどう解釈するか?にあります。
たとえば雇用者数が予想より強ければ、「景気が堅い」「利下げが遠のくかもしれない」と受け取ったトレーダーが米ドル買いに動くかもしれません。
反対の結果なら米ドル売りに動く可能性が高まります。



もしアメリカの金利が0.5%上昇したら、資産家たちはアメリカの銀行に貯金を移したほうが多く利息をもらえると判断するかもしれません。となると資金移動の際に米ドルを買う⇒ドルが上昇するわけですね。
なお、単純に「良い数字=ドル高」「悪い数字=ドル安」に動くとは限りません。
平均時給が弱かったり前回値が下方修正されたりすると、見た目ほどドルが買われないこともあります。
このように、米国雇用統計で発表される数字というより、市場の期待との差で動いていると言えるでしょう。
米国雇用統計はいつ発表されている?
米国雇用統計は、一般的に毎月第1金曜日に発表されます。
ですが、祝日やスケジュールの都合でズレることもあります。



最近ではトランプ大統領が政府機関を閉鎖した影響で発表されなかった月もありました。
日本時間では、夏時間と冬時間で発表時刻が1時間変わります。
この違いを知っておかないと、チャートで注意する時間を間違えてしまうのでご注意ください。
夏時間・冬時間についてはこちらの記事で解説しています↓
発表時間の前後も要注意!
FX初心者だと発表されるタイミングに注意を向けがちかもしれませんね。
もちろん、発表時がもっとも為替相場が動くので間違ってはいません。
ですが、意識しておきたいのは発表前後の相場が荒れやすい時間帯です。
米国雇用統計が発表された直後は一気に注文が集中するため短時間で大きく上下しやすい一方で、発表される直前は様子見で動きが鈍くなることも多いです。
そんなタイミングでトレードしていると、普段とは違う動きになりやすいため負けるリスクも高くなるでしょう。
米国雇用統計の見方
実際に米国雇用統計が発表されたら、どのように数字を見ればいいのでしょうか。
ここでは簡単に解説していきます。
まずは次で紹介する3つを意識していきましょう!
予想値と結果の差を見る
大事なのは市場予想と比べて強いか弱いかです。
予想値と大差ない結果なら、思ったほど相場が動かないことも多いです。
予想から大きく外れると、一気に相場が動く可能性が高まります。



とはいえ、発表されてから注文していても間に合わないケースが多いでしょう。いったん急上昇してまた元に戻ったり逆行していく、という変な動きをすることもあります。最初から手を出さないことをおすすめします。
前回値の修正を見る
雇用統計では前回の数字が修正されることがあります。
今回の結果が良く見えても、前回が大きく下方修正されると印象が変わることがあるので注意しましょう。
1項目だけで決めつけない
非農業部門雇用者数が強くても、平均時給が弱いと相場の反応は鈍ることがあります。
逆に雇用者数がやや弱くても、賃金が強くてドル買いになることもあります。
このように、1つの項目だけ注目していても判断を見誤りやすいです。
米国雇用統計は総合点で見る指標です。
まずは「予想との差」と「主要3項目のバランス」を意識してチェックしてみてください。
米国雇用統計で特にドル円が注目されやすい理由
FX初心者が米国雇用統計を意識するとき、とくに注目しやすい通貨ペアがドル円です。
(日本人にとっては最も身近な通貨ペアですね)
そして、戦争などの突発的なものを除き、為替相場が最も動きやすい要因は「金利変動」です。
米国雇用統計はアメリカ経済の強さを示す指標のため、その結果がFRB(=アメリカの中央銀行で金利を決めている)の金融政策に影響しやすい指標。
ドル円は世界的にも取引量の多い通貨ペアなのでアメリカの金利に反応しやすいため注目されるんですね。
たとえば、雇用統計の結果が強く、「景気が底堅い」「利下げが遠のきそう」と受け取られるとドルを買うトレーダーが増えるでしょう。
もちろん、ドル円はアメリカ側だけでなく日本円の情勢も影響します。
円は以前ほどではありませんが比較的安全資産として買われやすい面もあるため、米国雇用統計が悪くて株式市場が不安定になると、「ドル売り」だけでなく「円買い」も重なってドル円がより大きく下がることもあります。
以上のことから、米国雇用統計はドル円相場に影響が強いわけですね。
米国雇用統計の発表で起こりやすい値動き
米国雇用統計の発表がある日は、以下のような普段と違う値動きが起こりやすくなります。
- 発表直後の急騰・急落
- 上下に激しく振れる動き
- スプレッドの拡大
発表直後の急騰・急落
まず多いのが発表直後の急騰・急落です。
一瞬で何十pips以上も動くことがあるため、損切りを入れているとあっさりひっかかってしまうでしょう。
上下に激しく振れる動き
次に上下に激しく振れる動きも多いです。
最初は上に急騰したのに、その後すぐ下へ急落することもあります。
これは市場参加者が発表された数字を見ながら売り買いを変えるためで、FX初心者に限らず対処するのは難しい動きと言えます。
スプレッドの拡大
スプレッド拡大も起こりやすいです。
スプレッドは注文時に加えられるポジションに対する手数料のようなもの。
このスプレッドが広がることで普段より取引コストが大きくなるため短期売買ほど不利になりやすいです。
このように、米国雇用統計の値動きは「大きい」だけでなく、速くて不規則なのが特徴です。



何度も言いますが、米国雇用統計が発表されるタイミングの前後はトレードしないことをおすすめします。
米国雇用統計の前に確認しておきたいこと
当サイトではそもそもトレードしないことを推奨していますが、すでに保有中のポジションがある、イチかバチかでギャンブルトレードしたい、など人により事情はさまざまだと思います。
となると米国雇用統計の日に慌てないためには事前準備が大事です。
FX初心者ほど指標発表の時間になってから急にチャートを開き「思った以上に動いていて何もできない」という状態になりやすいもの。
あわてないためにも次の点を確認しておくことをおすすめします。
- 市場予測データの確認
- 直前までのドル円の流れ
- ポジションを持つ/持たないを決めておく
市場予測データの確認
まずは市場予想データの確認から。
相場は結果そのものより発表されたデータと予想の差に反応しやすいため、事前に「どれくらいの数字が予想されているか」を把握しておくだけでも心構えが違ってきます。
直前までのドル円の流れ
次じゃ指標発表される直前までのドル円の流れを見ておきましょう。
すでにドル買いがかなり進んでいる状態なら、強い結果がでても「ですよね」となって上がりにくいこともあります。
ほかにも、すでにドル売りが進んでいるなら悪い結果がでても出尽くしたとして逆に反発することも…。
雇用統計で発表された数字だけでなく「発表前に市場がどんな期待をしていたか?」を読み取ることも大切です。
ポジションを持つ/持たないを決めておく
ポジションを持つか持たないかを先に決めておくことも大事です。
「発表を見てから考えよう」とでも思っていると、値動きの速さに流されて衝動的にエントリーしてしまうことも…。
最初から「今日は見送る」「発表後10分は触らない」など自分でルールを決めておくことで不用意なトレードを避けやすくなるでしょう。
FX初心者は米国雇用統計のトレードをしても大丈夫?
FX初心者にはかなり難しいです。
当サイトではおすすめしません。
理由はギャンブルトレードになるためです。
指標発表時には以下のような状況になります↓
- 値動きが速すぎる
- スプレッドが広がりやすい
- 方向がすぐ変わることがある
- 思った価格で入れないことがある
トレードに不利な条件が多すぎるんですね。
どうしてもこの指標でトレードしたいのであれば、発表前にチャートがレンジ気味になっているときに方向を決めて注文しておくくらいでしょう。
(必ず損切り設定は入れておく)
といっても絶対におすすめはしませんよ?
FXはギャンブルトレードで勝ち続けることはできません。
FX初心者が米国雇用統計で取りたい行動指針
FX初心者に一番おすすめなのは無理にトレードしないことです。
これは弱気や逃げではなく立派なリスク管理です。
具体的には、次のような行動指針で迎えましょう↓
指標前にポジションを持たない
まず第一に発表前にポジションを持たないことです。
雇用統計をまたいで持ち越すと想定外の方向へ大きく動くことがありリスクが高くなります。
指標発表直後に飛び乗らない
次に指標発表直後に飛び乗らないことも重要です。
一瞬の動きに反応すると高値掴みや安値売りになりやすくなります。
見るだけにする
どうしても練習したいなら見るだけにしましょう。
リアルトレードはせず、値動きを見て勉強するだけです。
発表前や発表直後の値動き、落ち着くまでの時間など観察するだけでもかなり勉強になるはずです。
なお、デモトレードであればノーリスクのため、ポジションを持っても全く問題ありません。
米国雇用統計をきっかけに無理なトレードをしないために
米国雇用統計は、初心者にとってとても目立つイベントです。
そのため、「ここで大きく取れれば一気に増やせるかも」と考えてしまいやすいです。
でも実際には、こういうイベントのときほど、普段以上に無理なトレードを避けることが大切です。
たとえば、
- 普段よりロットを上げる
- 損切りを広げる
- 発表直後に飛び乗る
- 1回負けたあとに取り返そうとする
こうした行動は、雇用統計の日に特に起こりやすい失敗です。
米国雇用統計の日は、普段の相場と同じ感覚で考えないほうが安全です。
値動きが大きい日は、利益チャンスも大きく見えますが、その分だけ損失も急拡大しやすいです。
だからこそ初心者は、
「大きく取る日」ではなく「事故を防ぐ日」
くらいの感覚でいたほうが、長い目ではプラスになりやすいです。
米国雇用統計を相場の勉強に活用しよう!
米国雇用統計は、トレードしなくても学びに使えます。
経済指標の中でも相場への影響力が大きいため、チャートの値動きから学びやすいと言えるでしょう。
勉強するなら、以下のようにするだけでも良い学びになります↓
- 予想値と結果をメモする
- そのときドル円がどう動いたかを見る
- どの項目に市場が反応したかを振り返る
これを何回か繰り返せば「雇用者数だけでは決まらない」「賃金の影響も大きい」「最初の反応と最終的な方向が違うことがある」といったことが少しずつ見えてくるようになるでしょう。
トレードで稼ぐのではなく、相場の反応を学ぶ教材として使ったほうがいいですね。
FXの米国雇用統計に関するQ&A
まとめ
米国雇用統計について紹介しました。
FXトレードでのトップクラスに影響力の強い経済指標です。
非農業部門雇用者数/失業率/平均時給を中心に、アメリカ経済の強さや金利見通しを考える材料になるため、チャートが動きやすく大きく稼ぐチャンスにもなります。
それだけにFXで非常に注目される重要指標ですが、狙ってトレードすることはおすすめしません。
リスクが高く、FX初心者が手を出してよい相場ではないと言えるでしょう。
初心者を脱したトレーダーが自己責任でトレードする分には問題ありませんが、勝ち続けることはまずできないでしょう。
米国雇用統計の日はトレードをお休みして、
- 予想値と結果を見る
- 発表前後の値動きを観察する
- 1項目ではなく全体で判断する
この3つを意識しつつ相場を観察する日として過ごすことをおすすめします。



