このページではXMで毎日実施されているロールオーバー処理について徹底解説!
トレーダーが意識しなくてもXM側で定期的に自動処理されている「ロールオーバー」とはどんなものか。
その内容や処理されている時間、オーバーナイトポジションについて解説しています。
XMのロールオーバーとはどんなもの?
FXトレードにおけるロールオーバーとは?
XM公式によるロールオーバーの解説
XM公式サイトではこう書かれています。
ロールオーバーとは、未決済ポジションの決済日(つまり、執行された取引が決済されなければならない日)を延長するプロセスです。FX市場では、すべてのスポット取引は2営業日後に決済しなければなりません。決済とは、通貨の現物引き渡しをいいます。しかし、現物引き渡しは証拠金取引では発生しません。したがって、すべての未決済ポジションは毎日その日の終わり(GMT22時)に決済され、翌取引日に再度開かれなければなりません。これにより、決済がもう1取引日延長されます。この方法をロールオーバーといいます。
(参照:https://www.xmtrading.com/jp/overnight-positions)
FXを始めて間もない方にとっては、意味不明な宇宙語に感じるかもしれません。
専門用語も多いため、かなりわかりにくい文章でしょう。
そこで、もう少しかみ砕いて解説していきます。
ロールオーバーを簡単に解説すると・・・
ザックリ言うと「精算期限を跨ぐポジションを決済し繰り越し処理すること」です。
FXの仕組み的に、トレーダー自身による清算のあるなしに関わらず、注文したポジションは一定期間後に必ず決済されるようになっています。
となると、あなたがFXで何かの銘柄を注文して保有し続けている間に「締めとなる時間に一旦決済される」ことになります。
でも、XMだけでなくどの業者でもFXトレードしたことがあるなら体験していると思いますが、注文したポジションを何日も持ち続けられます。
自分で決済する、またはロスカットでもされない限り勝手に決済処理されることはありません。
私も含み損を受け入れられず半年ほどポジションを持ち続けた経験があります。
でも、そのとき勝手に決済されることはありませんでした。
ここまでは表面的な解説でしたが、もう少しFXの仕組みにも触れつつ詳しくみていきましょう。
ロールオーバーを詳しく解説
FXでは、2営業日後に決済(現物の引渡し)する、というルールがあります。
FXは平日の月~金曜(正確には日本時間で土曜の早朝)までトレードできるため、月曜に注文したら2営業日後の水曜日中には決済しなければいけないわけですね。
では、なぜトレーダー側で決済しなくてもいいのか。
まず大前提として、XMでFX取引するとき、トレーダーが口座上でその国の通貨を買っても実際に保有しているわけではありません。
XMに証拠金としてお金を預け、それを担保に業者にトレードしてもらっている状態です。
そのため、オーダーした注文分を持っているXM側でいったん決済し、もう一度注文しているんですね。
となると、日本で一番口座保有数が多いXMではそれだけ取引件数も膨大です。
当然この手続きをするには、かなりのサーバー負担が伴います。
取引量が多くなる日本市場がオープンする8時頃から、アメリカ市場がクローズする翌朝6時頃まで約22時間の間に処理してしまうと、トレーダーの注文処理スピードに悪影響を与えてしまうでしょう。
というわけで、処理自体は隙間時間の早朝に実施されています。
この早朝にXMが実施している決済⇒再注文処理のことをロールオーバーと言います。
つづいて、ロールオーバーに大きく関わる用語「オーバーナイトポジション」についても解説していきます。
オーバーナイトポジションとはどんなもの?
営業日をまたいでポジションを保有することをオーバーナイトポジションといいます。
要はロールオーバー処理されるポジションのことですね。
2営業日以上にわたった保有しているポジションはすべてオーバーナイトポジションになります。
といっても、ただの呼称でありこれといった意味はなく、注文した1つのポジションでしかありません。
XMでロールオーバー処理する時に起こること
毎日発生するスワップ金利
持っているポジションをロールオーバー(XM側で決済&再注文)したとき、最初にトレーダーが注文したときとXMでの再注文時で金利差による損益が発生していることが多いです。
これをスワップ金利といいます。
スワップ金利の詳しい内容は後述します。
さすがに金利差分まではXM側で負担してくれないため、トレーダーがポジションを決済しない限り増え続けることになります。
保有し続けると決めているのはトレーダーですので仕方ないですね。
というわけで、トレーダー側はスワップ金利を加味することで同じポジション持ち続けられるわけです。
なお、通貨ペアによってはこの金利がプラス(利益)になることもあります。
ただし、クセの強いニッチな通貨ペアであることがほとんどです。
FX初心者にはあまりおすすめしません。
ですが、通常の為替変動による差益狙いではなくスワップ狙いで長期保有するトレード方法もあります。
ここで「スワップ金利って何?」という方もいるかもしれませんので簡単に解説しておきます。
FXのスワップ金利とは?
ドル円(USDJPY)、ユーロドル(EURUSD)など法定通貨間の金利差調整分のことです。
たとえばドルが金利2%、円が金利1%なら差分1%がスワップ金利として保有ポジションに加算されます。
XMでは3つある口座タイプ別&通貨ペアごとにスワップ金利が決まっています。
極端に変更することはありませんが、日々変動する数値です。
FXトレードでスワップ狙いで行くときはチェックしておきましょう。
情報はXMホームページ内で確認できます。
なお、XMにはスワップフリーの口座「極(KIWAMI)」もあります。
XMでロールオーバーが適用される時間やルール
ロールオーバー処理される時間は?
XM公式には次のように書かれています。
XMTrading は、毎日の銀行決済締め切り時刻であるGMT22時以降に建てられた全てのポジションに対し、競争力のあるレートにてお客様の取引口座の借方または貸方にロールオーバー金利を計上します。
このGMT22時は日本時間で朝6時(夏時間/サマータイム)、冬時間は朝7時となります。
ちなみに、サマータイムは3月の最終日曜AM1:00~10月の最終日曜AM1:00まで、冬時間はその逆です。
ロールオーバーが3倍になる水曜日に要注意!
FXは月~金までしかトレードできないため、土日はお休みです。
でも、通貨の売り買いを処理している銀行は土日でも利子が発生しています。
FXは2営業日後に決済するルールのため次にように処理されます。
- 月曜・・・火・水の金利を木曜早朝にロールオーバー
- 火曜・・・水・木の金利を金曜早朝にロールオーバー
- 水曜・・・木・金の金利を土曜早朝に付加できず
- 木曜・・・金・月の金利を火曜早朝にロールオーバー
- 金曜・・・月・火の金利を水曜早朝にロールオーバー
水曜日だけ2営業日後が休みになってしまうんですね。
そこで、水曜日(木曜早朝)にポジションを持っていると、3日分のロールオーバーが計上されるようになっています。
水曜日の注文だけは金利が3倍になってしまうため比較的短期でトレードする方は避けたほうがいいわけですね。
逆にスワップ金利狙いのトレーダーは狙い目です。
年末年始などの祝祭日も要注意!
土日以外にもFX市場が閉じている日があります。
年末年始など特別な日も休日扱いになるため、XMのお知らせメールや公式サイトのお知らせ情報をチェックしておきましょう。
ロールオーバーで発生するスワップ金利の計算方法
スワップ金利の計算方法
計算式は次の通りです。
(1ポイント ÷ 為替レート) × 取引ロット数 × スワップ値
最初の「1ポイント」はXM公式サイトの「FX取引のスプレッド / 取引条件」一覧表にある「最低価格変動値」が該当します。
「為替レート」はその時点の通貨ペアの価格です。
「取引ロット数」は自分が保有している(これから注文する)ロット数です。
「スワップ値」も上で紹介した一覧表内に記載されているロング(買い)とショート(売り)欄のスワップ価値を使用します。
「FX取引のスプレッド / 取引条件」一覧表はこちらから確認できます。
該当ページ⇒https://www.xmtrading.com/jp/forex-trading
XM公式の計算ツールを利用しよう!
XM公式ページで計算ツールが提供されているので利用しましょう!
こちら⇒XMのスワップ計算ツール
6つある中で「スワップ計算ツール」ページを開きましょう。
【参考例】XMスタンダードにてドル円を1ロット注文したときのスワップ計算
2021年7月7日に計算ツールを使った結果はこうなりました。
口座の基本通貨・・・スタンダード口座の通貨はJPY(日本円)を指定
通貨ペア・・・・・・USDJPY(ドル円)でトレード
口座タイプ・・・・・スタンダード口座を利用
ロット数量・・・・・1ロットでトレード
入力を済ませたら「計算する」ボタンを押しましょう。
利用した時点でのスワップ値は「買い=マイナス223円」「売り=マイナス387円)でした。
どちらも長く保有し続けるとどんどん損失が膨らんでいきますね(汗)
このようにUSDJPYといった世界的に取引量が多いメジャーな通貨ペアはスワップ値がマイナスになることがほとんどです。
でも中にはプラスになる通貨ペアもあります。
そういった通貨ペアを狙っていけばロールオーバーを利用して稼ぐこともできるでしょう。
ロールオーバーを使った稼ぎ方
- スワップ値がプラスの通貨ペアを注文し保有する
- 水曜日(木曜早朝)の3日分のロールオーバーを利用する
スワップ値がプラスの通貨ペアを注文し保有する
おすすめはトルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドなどスワップポイントが高い通貨ぺアです。
これらはスワップが大きくプラスになることが多いため保有し続けることで稼ぐこともできます。
ただし、スワップ値がプラスだからってだけで注文してもうまくいくとは限りません。
そこは相場の動きを予想してプラスの方向へ動くか判断するスキルも必要です。
また、取引量はUSD/EUR/JPYといったメジャー通貨ほどありません。
値動きも大きくなりやすいため、持っているポジションの方向から逆行すればロスカットされるリスクもあります。
水曜日(木曜早朝)の3日分のロールオーバーを利用する
XMでFXトレードできるのは平日のみ(月曜朝~土曜朝まで)です。
世界には土日も空いている市場もあるのですが、XMでは使われていません。
というわけで、ロールオーバー自体はXMの営業日以外でも発生しています。
そうなると、土日分のロールオーバーで発生するスワップ値もどこかで計算しなければいけません。
そのタイミングが水曜日(木曜の早朝)です。
このタイミングだけは3日分のスワップ金利が計算されます。
水曜日にポジションを保有しておき、木曜日に精算すれば「水/土/日」の3日分のスワップ金利がもらえてしまうんですね。
ポジションを保有していなくても2日分得します。
なお、水曜日のロールオーバーの正確な時間はサマータイム(夏時間)と冬時間で異なるため注意してください。
夏時間:木曜のAM7:00
冬時間:木曜のAM6:00
冬時間の期間なら、木曜5時頃に注文して6時以降に決済することも可能です。
ただし、6時からの30分くらいはスプレッドが広くなっていることが多いため、気を付けましょう。
(スプレッドは手数料的なもの)
XMのロールオーバーに関するQ&A
- ロールオーバーはいつ処理される?
- 水曜日に3倍になるのはなぜ?
- ロールオーバー処理に手数料はかかる?
- トレーダー側でする手続きはある?
Q1.ロールオーバーはいつ処理される?
早朝の7時(夏時間は6時)頃に処理されます。
Q2.水曜日に3倍になるのはなぜ?
金融市場が土日休みのためです。
FX市場(外国為替市場)の決済処理が2営業日後となっています。XMの口座上で木曜に注文した場合の2営業日後は金→月曜日、金曜に注文した場合は月→火曜日となります。そこで水曜日には、土曜早朝に計上できない木・金曜日分のロールオーバーも一緒に処理されています。
Q3.ロールオーバー処理に手数料はかかる?
不要です。
XM側が早朝に自動処理してくれるため、トレーダーに負担はありません。
Q4.トレーダー側でする手続きはある?
ありません。
ロールオーバー処理は、XM側が自動で実施してくれます。それに伴う手数料や作業は一切ありません。なお、ロールーーバー処理されるタイミングで、通貨ペア(銘柄)の金利差であるスワップポイントが加算されます。プラスなら利益ですが、多くの場合はマイナスになるため注意しましょう。
まとめ
XMで適用されるロールオーバーとオーバーナイトポジションについて解説しました。
ロールオーバーは持っている日をまたいだポジションを決済&再注文する処理です。
その際にスワップ金利が計上されます。
オーバーナイトポジションはロールオーバーされるポジションのことです。
これらを知らなくてもFXトレードに大きな影響はありませんが、スワップ金利で稼ぐトレード方法もあります。
ロールオーバーの仕組みを知っておくとFXで稼ぐ武器を1つ身に着ける上で役立つでしょう。