2026/6/5に財務省が「外国為替及び外国貿易法」の一部を改正する法律を公布しました。
外国為替関連の法律となると、海外FX業者を使っているトレーダーにも影響があるのでは?と思うかもしれませんね。
結論から言うと以下のとおりです↓
6月5日に公布された「外国為替及び外国貿易法(外為法)改正」は、一般的な海外FXトレーダーにはほぼ影響ありません。
ご安心ください。
2026/6/5の法改正は何が目的?
今回の改正の中心は、
- 外国企業による日本企業への投資(M&A・株式取得)
- 経済安全保障
- 安全保障上重要な技術や企業の保護
- 外国投資家による迂回的な買収の防止
です。
「外国資本が日本の重要企業を買収する際のチェックを強化する法律」ですね。
今回の主な変更点
① 間接的な企業買収も審査対象に
従来は、
外国投資家→日本企業
という直接投資が主な対象でした。
改正後は、
外国投資家→海外企業→日本企業
のような間接的な支配権取得も規制対象に加えられます。
「海外企業を経由して日本の重要企業を取得する抜け道を防ぐ」ための改正ですね。
② リスク軽減措置の届出制度
外国投資家が「安全保障上の懸念をなくすためこういう対策をします」というリスク軽減措置を講じて届け出ることが義務化されました。
具体的には、
- リスク軽減措置の内容を届け出る
- 内容を変更する場合も事前に届け出る
ことが必要になります。
③ 審査制度の見直し・効率化
改正は単なる規制強化ではありません。
- リスクの低い投資は合理化
- リスクの高い投資は重点的に審査
というメリハリをつけた制度を目指しています。
海外FXトレーダーへの影響は?
影響しないもの
- XMトレーディングやExnessなど海外FXでの取引
- MT4/MT5の利用
- 海外FX口座へ入金
- 海外FX口座から出金
- EA(FX自動売買ツール)の利用
- スキャルピングトレード
- 海外FXの利益の確定申告
など
これら海外FXを使う上で関連する事項に、今回の法改正は一切関係ありません。
次からは、「外国為替及び外国貿易法」について簡単に解説していきます。
海外FXトレーダーが知っておく必要もありませんが、興味がある方はぜひ!
外国為替及び外国貿易法(外為法)は海外FXに関係ある?
「外国為替及び外国貿易法(外為法)」というネーミングを見ると、
- 海外FXを規制するもの?
- 海外FX業者が使えなくなる?
- 入出金に影響はある?
と不安になる人もいるかもしれませんね。
ですが、外為法はFXトレードや海外FXを直接規制するための法律ではありません。
そこで、外為法の目的や役割、海外FXとの関係について紹介していきます。
外国為替及び外国貿易法(外為法)とは?
外為法とは「日本と外国との間で行われるお金・モノ・投資のやり取りを管理する法律」です。
正式名称は「外国為替及び外国貿易法」ですが、一般的には「外為法(がいためほう)」と呼ばれています。
「外国為替」という言葉が入っているため、FX(外国為替証拠金取引)の法律だと思わそうですが、実際はもっと広い範囲を対象としています。
一例として、次のような取引が外為法に関わってきます。
- 海外への送金
- 海外からの送金
- 外国企業への投資
- 外国人による日本企業への投資
- 輸出入取引
- 海外不動産の購入
- 国際的な経済制裁
為替というより、国と国との経済活動全体を管理する法律と言えるでしょう。
編集部海外のFX業者へ入金するなら影響ありそうですが、実は海外FX業者は日本国内の金融機関で口座を持っているため、日本のユーザーはそちらへ送金する国内送金となります。ただ「外国企業への投資」に関しては受け取り方しだいで関係してきそうですね。
外為法が作られた目的
外為法には大きく3つの目的があります。
- 日本経済の安定を守る
- 安全保障を守る
- 国際社会との協力
日本経済の安定を守る
海外との資金の流れが無秩序になると、日本経済に大きな影響を与える可能性がでてきます。
もし外国と日本で大量のお金が出入りすれば、為替市場や金融市場が混乱する恐れがあります。
よって外為法で、市場が正常を保てる把握しつつ日本経済を安定させる役割を担っているわけです。
安全保障を守る
近年、外為法でとくに重視されているのが経済安全保障です。
たとえば、以下のようなものは国防にも関わってきます↓
- 軍事転用できる技術
- 最先端の半導体技術
- 防衛関連技術
- 重要インフラ
など
これらが海外へ流出すると日本の安全保障が脅かされる可能性があるわけですね。
こういった技術や製品の輸出、外国企業による重要企業への投資などについて外為法で規制しています。
国際社会との協力
日本は国際社会の一員として、各国と協力しながら経済制裁などを実施しています。
一例として
- テロ組織への資金提供
- 制裁対象国との違法取引
- マネーロンダリング
などを防止するためにも、外為法は重要な役割を果たしています。
海外FXと外為法は関係ある?
海外FXユーザーが一番気になるのはここだと思います。
この記事の最初で触れたように、通常の海外FX取引で外為法を意識する必要はほとんどありません。
口座開設したりトレードして稼ぐ程度なら、外為法やその改正で大きな影響は受けないでしょう。
もちろん海外FXに関して踏み込んだ改正が絶対されないとは言い切れませんが、現状そういった動きは見られません。
ニュースで「外為法改正」と報じられても、多くの場合は
- 外国企業による日本企業への投資
- 経済安全保障
- 国際的な資金管理
などがテーマになっています。
あまり心配する必要はないでしょう。
銀行から送金目的を聞かれるのはなぜ?
海外FXを利用していると「この送金の目的は何ですか?」と銀行から確認されることがあるようです。
(個人的に一度もないため詳細は不明ですが…)
これは銀行が外為法などに基づいて海外送金の内容を確認しているためですね。
海外FX口座への入出金ではあまり聞かれないかと思いますが、大き目なお金を海外送金するときは目的を聞かれるケースが多いようです。
ユーザー側としては「違法行為をしていると疑われているのでは?」と感じるかもしれませんね。
ですが、金融機関が法律に基づいて確認業務を行っているだけ。
もし海外FX口座への入出金で聞かれたら、正直に「海外FX口座への(からの)資金移動です」と回答すれば問題ないでしょう。
これまでの外為法改正が海外FXへ影響を与えたことは?
とくにありません。
2020年頃の改正内容
ニュースでは大きく取り上げられましたが、内容は
- 外国企業による日本企業への投資規制強化
- 防衛・IT・インフラなど重要産業の保護
- 事前届出制度の見直し
が中心でした。
こちらも海外FXへの影響もありません。
2023年の改正内容
2023年には、
- サプライチェーン保護
- 経済安全保障
- 「重要事業」の追加
などが行われました。
海外FXへの影響はなし。
2025~2026年の改正内容
最近の改正も、
- 対内直接投資
- 外国企業による日本企業買収
- 間接取得の規制
- 経済安全保障
が中心で、これまでと似たようなものです。
当然、海外FXトレーダーへの影響はありません。
海外FXに関係する日本の法律は金融商品取引法(金商法)
海外FXに関係するのは外為法よりも「金融商品取引法(金商法)」です。
たとえば、
- 国内FXの最大レバレッジ25倍
- 国内FX業者の登録制度
- 投資家保護ルール
などは、主に金商法によって定められています。
海外FX業者が日本居住者向けに無登録営業を行う問題なども、外為法ではなく金商法が適用されます。
FX初心者が覚えておきたいポイント
外為法について、FX初心者は次の3つを覚えておけば問題ないでしょう。
① 外為法はFX専用の法律ではない
「外国為替」という名前ですが、海外との経済活動全般を管理する法律です。
② 海外FXへの影響はほとんどない
一般的な海外FXの利用やFXトレードが制限される法律ではありません。
③ 銀行の海外送金確認は普通のこと
海外送金時に目的を聞かれても、法律に基づく通常の確認手続きなので心配不要です。
将来的に外為法改正で海外FXに影響する可能性は?
現時点では、トレーダー、海外FX業者、日本国内のFX業者のどれにもありません。
外国為替及び外国貿易法の一部を改正に関するQ&A
まとめ
外国為替及び外国貿易法(外為法)と一部改正に関する内容をまとめました。
外為法は日本と海外との間で行われるお金・モノ・投資の流れを管理し、日本経済や安全保障を守るための法律です。
名前に「外国為替」と入っているため海外FXを規制する法律と誤解されるかもしれませんが、海外FXの売買ルールを定める法律ではありません。
通常の利用方法であれば、今回の改正を心配する必要はないでしょう。
今後もニュースで「外為法改正」という言葉を見かけたときは「海外FXの規制ではなく、日本と海外との国際取引や経済安全保障に関するルールの見直しなんだな」と思っておけば問題ないでしょう。
